引越し時、ぬいぐるみはどうする? 梱包はダンボールや圧縮袋で大丈夫? 洗い方、事前ケアなど、引越し専門家&ぬいぐるみ作家てぃあなさんに聞いた【ぬいぐるみマニアの引越し体験談】
最終更新日 2024年10月22日
(写真提供/てぃあな)
ぬいぐるみ好きにとって悩ましいのが、引越し時の梱包。大きいものがあるとき、数が多いときなどは、どうしたらいいのでしょうか。今回は、アーク引越しセンター株式会社 事業本部 鈴木 和史さんのお話をもとに、ぬいぐるみの引越し準備から新居での配置まで、実践的なノウハウをお届けします。また、ぬいぐるみ作家でぬいぐるみ関連のコンテンツ発信をしている”てぃあな”さんからも、引越し実体験にもとづく役立つアドバイスをたくさんいただきました。ぜひ参考にしてくださいね。

ぬいぐるみの梱包のポイントは?
引越しの際にぬいぐるみを傷つけないためには、2点注意すべきことがあります。それは
- 圧迫を避けること
- 動かないように固定すること
です。
箱に梱包するときは、箱にぎゅうぎゅうに詰めるのではなく、余裕のあるサイズ感の箱を選び、柔らかいクッション材や緩衝材でぬいぐるみが動かないように固定します。そうすることで、運搬中にぬいぐるみが傷つくことを防げますよ。
「私はハンドメイドのぬいぐるみ作家としても活動しているのですが、作品のぬいぐるみを購入者に送るときは、特に梱包に気を使います。箱のなかで動いてしまうと型崩れや破損の原因になるので、しっかりと固定して送りますね」(てぃあな)
「MANMARU Agancy」としてハンドメイドぬいぐるみを販売しているてぃあなさん。購入者に送るときは梱包に気を使う(写真提供/てぃあな)

ぬいぐるみは大きさ別に適した引越し準備が必要
ぬいぐるみの引越し準備は、サイズや種類によって異なります。ぬいぐるみを大型・中型・小型に分け、それぞれに適した梱包方法をご紹介します。
大型ぬいぐるみの梱包ポイント|圧縮袋はNG! 布団袋の利用も選択肢に
大型のぬいぐるみは、その大きさゆえに梱包が難しいもの。大きさに合った箱を探せない場合は、不織布やビニールの袋に入れる方法で梱包しましょう。サイズが合えば布団袋を使うのもおすすめです。布団袋は引越し業者から購入したりレンタルできたりする場合もあるので、問い合わせてみましょう。
ぬいぐるみが柔らかいからといって、ぬいぐるみのサイズよりも小さな箱に押し込んだり、圧縮袋で圧縮したりするのはNG! 型崩れの原因になります。
「大事なぬいぐるみの形を保ちたいなら、無理やり詰め込んで梱包せずに余裕を持って詰めましょう。特に圧縮袋で圧縮してしまうと形が崩れてしまうので、おすすめしません」(てぃあなさん)
中型のぬいぐるみの梱包ポイント|ビニールで雨や汚れを防ぐ
中型のぬいぐるみは、ダンボール箱などに梱包するのに適しています。雨に濡れたり汚れたりするのを防ぎたい場合は、ビニール袋に入れてからダンボールに梱包するのがおすすめ。ダンボール箱に詰めるときはスペースに適度な余裕を持って圧迫しないようにすることと、ぬいぐるみが箱のなかで動かないように緩衝材を使うことを忘れずに。
中型のぬいぐるみは緩衝材でダンボールの隙間を埋める(画像 PIXTA)
小型のぬいぐるみの梱包ポイント|紛失対策にも袋がおすすめ
キーホルダーやマスコットのような小型のぬいぐるみは、ビニールやトートバッグなどの袋にまとめて分類すると、引越しのトラックのなかでスペースを取りません。また目立つバックに入れておけば紛失防止にもなりますよ。袋に入れたうえで、更にダンボールに入れてもOKです。
小さなぬいぐるみは、袋などにまとめるとトラックのなかで場所を取らない。上から飛び出さないように出し入れ口はしっかりと塞ぐこと(写真提供/てぃあな)

梱包前に洗って事前にケアを。虫食い防止等の対策に
実はぬいぐるみはほこりや汚れがついていたりして、思いのほか汚れているものです。できれば引越し前に洗うなどして、清潔にしておきましょう。引越しの後、押し入れなどに入れたまま長期間の収納になる可能性もあります。その間のカビや匂いの発生を防いだり、虫食いを防止したりするためにも、事前にケアしておくことが大切です。
「特に引越しの前には、一度ぬいぐるみをきれいにしてあげることをおすすめします。自己責任にはなりますが、ぬいぐるみは手洗いできる場合が多いんですよ。
私はいつもおしゃれ着用の洗剤やぬいぐるみ専用の洗剤で洗っています。小さなぬいぐるみは吊り下げて干しています。大きさのあるぬいぐるみは吊り下げると型崩れしてしまうので、平干しがいいですね。またとても大きなぬいぐるみは、中綿が水を含むと重すぎて布が千切れてしまったりするので、お布団のように外干しした後、スプレーで除菌したり、ぬいぐるみ用の拭き洗剤を使ったりして清潔にします」(てぃあなさん)
大切なぬいぐるみを長く使い続けるために、適切な洗浄の方法を知っておきましょう。自分で手洗いするのが心配な場合は、ぬいぐるみの宅配クリーニングサービスもあるので、利用するのも手です。
繊細なぬいぐるみは手洗いが基本(写真提供/てぃあな)
平干しで型崩れを防ぐ(写真提供/てぃあな)

ぬいぐるみの引越しで運搬時と荷解き時に気をつけること
ぬいぐるみの運搬方法、業者への伝え方の注意点
ぬいぐるみは柔らかく圧迫に弱いので、下積み厳禁です。箱や袋に「ぬいぐるみ」と明記して引越し業者に伝えましょう。
(画像 PIXTA)
新居でのぬいぐるみの荷解きの注意点
ぬいぐるみの荷解きで問題になるのが、スペースと配置の問題です。梱包を解くときは思った以上にスペースを使うもの。ぬいぐるみは軽量ですが場所を取るので、あらかじめ新居での収納場所を確保しておきましょう。そうすることで、荷解き後すぐに収納できて、作業がスムーズになります。
「私も引越しのとき、あらかじめ新居に棚などの収納場所を確保しておきました。ぬいぐるみは軽いので専用の棚に『積む収納』をしたり、ハンモックを使うなどして『吊るす収納』をしたりしています」(てぃあなさん)
ぬいぐるみを専用棚に積んで収納する「ぬいぐるみマンション」(写真提供/てぃあな)
棚には100円均一で購入した収納を追加するなどしてカスタマイズ(写真提供/てぃあな)
ハンモックで天井近くの空間を収納として活用(写真提供/てぃあな)

ぬいぐるみとのお別れ方法
引越しでライフスタイルが変わったり間取りが変わったりすると、ぬいぐるみの量を減らさなければならないこともあります。ここでは大切なぬいぐるみを手放すときのために、ぬいぐるみのリサイクル・リユースや供養の方法について解説します。
不要になったぬいぐるみのリユース方法
地域のリサイクルセンターや、特定のNPO団体がぬいぐるみの寄付を受け付けている場合があります。ゴミ袋に入れて処分する前に、有効活用できる方法を考えましょう。
不要になったぬいぐるみを児童養護施設や保育園、海外に寄付する活動がある(画像 PIXTA)
「私にとってぬいぐるみはずっと一緒にいてほしい存在です。ですから、私が生きているうちは誰かに譲渡するとか、リサイクルショップに渡すことは考えていません。
でも、もしもこの先どうしてもぬいぐるみが増えてしまった場合には、家族間でやり取りして、実家や姉の家に置かせてもらったりすることは、あり得るかもしれませんね。私の家族はみんなぬいぐるみが好きなので、それは可能です。
手放すなら、ぬいぐるみを大事にしてくださる方に譲りたいものです。ぬいぐるみ好きの仲間のなかには、愛好家のオフ会で『このぬいぐるみの里親を探しています』と申し出ている人もいます。そうやって譲り先を見つけている方も何人か知っていますよ」(てぃあなさん)
感謝の気持ちを込めたぬいぐるみ供養
譲り先が見つからず、やむを得ずぬいぐるみを処分する際には、感謝の気持ちを込めて供養する方法もあります。お寺や神社でぬいぐるみの供養を受け付けているところもあるので、処分に困った際には相談してみてくださいね。
「ぬいぐるみは家族のようなもの。私としては生きている間に手放す気持ちはないですが、『私がこの世を去ったときにはちゃんとお焚き上げてして欲しい』と家族にお願いしています。ですから、供養してもらうことが、気持ちの区切りにはなるというのは、分かりますね」(てぃあなさん)
思い入れのあるぬいぐるみを処分することで、辛い気持ちにならないように、手放す際の心の整理の方法を知っておくことも大切かもしれません。
引越しは自分のライフスタイルを見つめなおすタイミング。大切なぬいぐるみと一緒に新しい生活を始めるために、上手に引越しを乗り越えてくださいね。
●取材協力
アーク引越センター
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