引っ越しは大安にすべき?縁起のよい日と、先負や仏滅で引っ越す場合の作法
引っ越しをするなら、できればよいお日柄を選びたいもの。縁起が良い日はやはり「大安」ですが、どうしても引越し料金が高くなる傾向があります。そこで今回は、大安以外にも引っ越しに最適とされるお日柄について解説。先負や仏滅などに引っ越しする場合の対処法とあわせてご紹介します。
■目次
・引っ越しに最適とされるのは大安
・縁起を大切にしたいけど大安が無理なら友引か先勝を
・大安だけでなく友引・先勝の引っ越しも難しいときはどうする?
・まとめ

引っ越しに最適とされるのは大安
大安の日に結婚式を挙げたり、友引の日にはお葬式を避けたり…日本には、特別な行事、とくに冠婚葬祭などの儀式をとり行う際にお日柄を見て縁起をかつぐ習慣があります。
引っ越しもまた、人生の節目となる大切なイベントです。引っ越しを予定しているけど、できればよいお日柄で引っ越ししたいと考えている方も多いと思います。
そもそも大安や仏滅ってなんのこと?
日時や方位の吉凶を占う暦注のなかでも、最もよく知られているものの一つが六曜。カレンダーなどに「大安」「仏滅」などと書かれているのを目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
もともと中国で使われていたとされる六曜が日本に伝わったのは鎌倉時代末期ごろのこと。六曜が人々の暮らしに浸透したのは戦後になってからと言われています。
月の満ち欠けに基づく考え方で、旧暦の1月1日に先勝から始まり、原則として先勝→友引→先負→仏滅→大安→赤口と6つが順にめぐっていきます。
六曜にはそれぞれ、以下のような意味あいがあるとされています。
大安 (たいあん) | 「大いに安し」との意味があり、終日、万事において吉。 |
友引 (ともびき) | 「幸せのおすそ分け」との意味があります。昼は凶、午前・夕方・夜は吉。大安の次に縁起がよい日とされますが、「友を引く」という意味があることから、葬儀を慎む傾向があります。 |
先勝 (せんしょう/さきがち) | 「先んずれば、すなわち勝つ」との意味があり、万事において急ぐことがよいとされます。午前が吉、午後が凶。 |
赤口 (しゃっこう/しゃっく) | 午の刻(午前11時ごろから午後1時ごろまで)のみ吉。ほかは凶とされます。 |
先負 (せんぷ/さきまけ) | 「先んずれば、すなわち負ける」との意味があり、急用や勝負事はなるべく避けるのがよいとされます。午前が凶、午後が吉。 |
仏滅 (ぶつめつ) | 「仏も滅するような大凶日」、あるいは「物滅」として「ものを失う」との意味があります。お祝い事が避けられる傾向があり、終日凶とする説と、午後を吉とする説があります。 |
これら六曜のうち、最も縁起がよいとされるのが大安。結婚式などお祝い事をする際には、積極的に大安が選ばれます。
引っ越しに関しても同様で、時間を気にせず引っ越しすることが可能です。
最も縁起がよい大安の引越しは高くなりがち
ところが、大安の日数は限られているうえ、「どうせ引っ越しするなら大安に」と思う方が多いせいか、引越し予約が大安に集中する傾向があります。混雑する日は割引料金が適用されにくいため、大安の引越し料金は高くなりがちです。
例えば、アーク引越センターが提供している「引っ越しお得日カレンダー」では、2022年5月と6月の割引率は以下の通りとなっていました。
引用元:アーク引越センター
2022年5月の大安は、2日・8日・14日・20日・26日・30日、6月の大安は5日・11日・17日・23日。両月とも大安の日は割引率が最大10%にとどまっていることが分かります。
また、大安と人気が高い週末が重なる日(5月8日・14日、6月5日・11日)と、飛石連休となる5月2日は割引が適用されていません。引っ越し料金を安く抑えるのであれば、大安を避けるのがよさそうです。

縁起を大切にしたいけど大安が無理なら友引か先勝を
大安に引越し見積もりを依頼したら混雑を理由に断られたという場合でも、ご安心を。大安以外でも、お日柄に適した引越しの作法があるとされています。
大安の次に縁起がよいとされるのが友引です。お葬式には向かないとされるため、お日柄がよくないと考えられがちですが、昼の時間帯以外は吉とされます。例えば、朝から引っ越し作業を開始し、昼前後に食事休憩などで作業を中断し、午後に引越し作業を再開すればOKです。
また、先勝は午後の引越しが凶とされます。つまり、午前中にすべての引越し作業を終えられれば問題ありません。例えば、正午をむかえる前に引越し作業を終わらせるように、早朝から引越し作業を始めるなどするとよいでしょう。

大安だけでなく友引・先勝の引っ越しも難しいときはどうする?
大安だけでなく、友引や先勝にも引っ越しできないという場合は、先負の引っ越しを検討しましょう。
先負は静かに過ごすのがよい日であり、引っ越しにはあまり向いていないとされますが、午後からの引っ越しはむしろ縁起がよいと言われています。
先負は引越し料金を抑えたい方におすすめ
午後からの引越しは、実は、引越し料金を抑えたいという方におすすめ。午前よりも午後に引越し作業を開始するほうが、引越し料金が安くなる傾向があるためです。
以下の表は、引越し料金の相場を時間帯別にまとめたものです。
【時間帯別の引越し料金相場】
単身者の引越し料金 | 家族(カップル含む)の引越し料金 | |
---|---|---|
7時以前 | 平均26,885円 | 平均138,526円 |
8時ごろ | 平均59,986円 | 平均104,584円 |
9時ごろ | 平均54,808円 | 平均98,998円 |
10時ごろ | 平均43,813円 | 平均80,793円 |
11時ごろ | 平均38,617円 | 平均68,070円 |
12時ごろ | 平均40,757円 | 平均63,509円 |
13時ごろ | 平均38,849円 | 平均60,595円 |
14時ごろ | 平均40,350円 | 平均60,843円 |
15時ごろ | 平均35,422円 | 平均60,436円 |
16時ごろ | 平均34,197円 | 平均66,537円 |
17時ごろ | 平均330,741円 | 平均59,953円 |
18時ごろ | 平均33,430円 | 平均75,874円 |
19時以降 | 平均39,500円 | 平均54,745円 |
※2020年4月時点の「SUUMO引越し見積もり」口コミデータより算出。最新のデータはこちらをご覧ください
単身者の引っ越しでは、8時ごろの料金が最も高く59,986円、17時ごろが最も安く30,741円。午前と午後とで最大で33,101円も差額があると分かります。
家族(カップル含む)の引っ越しの場合も同様です。最も高いのが8時ごろで104,584円、最も安いのが19時以降で54,745円となっており、差額は49,839円とさらに大きくなっています(引っ越し業者によって対応可否が異なる7時以前を除く)。
あえて午後の引っ越しに適した先負を選び、引っ越し料金を安く抑えるのもよさそうです。
仏滅の日に引っ越しする作法は?
仏滅は、最も縁起がよくない日とされ、新しいことを始めるのには向かない日と考えられています。そのため、新生活のスタートである引越しに適さないとされ、一般的に引越しが避けられる傾向があります。
どうしても仏滅の引越しが避けられない、でも気持ちよく引越ししたいという場合は、以下のことを試してみるとよいでしょう。仏滅が大安と同じ意味あいになると言われています。
・大安の日に新居にお供え物を供えておく
日本には、塩や酒を神様にお供えする習慣があります。お供えものである塩や酒を、日常使うもの、例えば茶碗や箸とともに、大安の日に前もって引っ越し先に運んでおくことで、大安に引っ越したことになるのだそう。
賃貸物件の場合は、入居日を引越し日よりも前に設定し、日割り家賃を多めに支払うことになりますが、気持ちよく仏滅に引っ越ししたいという方は、ぜひ試してみるとよいでしょう。
・新居の近くの神社にお参りに行く
引っ越し先の近くにある神社にお参りに行くのもおすすめです。大きくて有名な神社である必要はありません。引っ越ししたあと、土地の守り神と言われる氏神様をまつる神社にご挨拶に伺ってみてください。
・お祓いやご祈祷を受けてお札をもらう
お祓い(おはらい)やご祈祷(ごきとう)を受けてお札をもらい、部屋に貼るのもよいそう。不安な気持ちを新たにすることができるかもしれません。

まとめ
引越し日は、いいお日柄に越したことはありませんが、大安にこだわると引っ越し料金が高くなってしまうこともあります。柔軟な日程選びをして、気持ちよく、また賢く引っ越しをしてください。
画像:PIXTA
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