引越し繁忙期は見積もり戦略が必要! 料金相場と安くするコツを伝授
最終更新日 2021年12月03日
引越し料金は時期によって変動するのが一般的です。そのため、引越しの見積もりをとった際に、想定よりも高く感じられることがあります。とくに注意したいのが繁忙期。引越しの依頼が集中する時期には、見積もり料金が高くなる傾向があるようです。そこで今回、引越しをリーズナブルに行うために、気になる料金相場と最安の業者を選ぶ方法について、引越し料金を安くするおすすめのアイデアとともにご紹介します。
■目次
・引っ越しの繁忙期っていつごろ?見積もり料金が通常期よりも高い理由は?
・引越し繁忙期の見積もり料金は最大で通常期の4割増し!
・繁忙期の引っ越し見積もり費用を安くする方法は?
・まとめ

引っ越しの繁忙期っていつごろ?見積もり料金が通常期よりも高い理由は?
引っ越しの依頼は、3月から4月にかけて最も多くなると言われています。卒業や入学シーズンの学生さん、就職や転勤する社会人など、新生活を始める人の数が増えるためで、この時期、引っ越しの依頼数がピークに。引っ越し業者は繁忙期を迎えます。
国内の運送会社から構成される業界団体である全日本トラック協会では、引っ越しの分散化を目的として「引越混雑予想カレンダー(※)」を提供しています。このカレンダーからも、やはり新生活が始まる前後である3月と4月が引っ越し繁忙期に該当することが見てとれます。例年はとくに3月下旬から4月上旬が繁忙期となっているようです。
※2021年の引越し混雑予想
また、近年は引っ越し業者の人材不足が深刻化しています。そのため全日本トラック協会は、繁忙期には希望日に作業を依頼できる事業者が見つかりにくいなど、要望に添えないケースがあると注意を喚起しています。
見積もり料金が高くなるのは、どうして?
新生活がスタートする3月から4月にかけての繁忙期に、引っ越しの見積もりを依頼したことがある方は多いはずです。その際、「想定していたよりも見積もり額が高い」と思ったことがある方は多いのではないでしょうか。
引越し料金を決める要素は「基本運賃」「実費」「付帯サービス」という3点です。
引越し料金 | 1. 基本運賃 |
---|---|
2. 実費 | |
3. 付帯サービス |
基本運賃
「基本運賃」は引っ越しの際に移動する距離や荷物の量、作業にかかる時間などによって決まる料金のことを指しており、国土交通省が定める「標準引越運送約款」をモデルにしています。そのため、業者や時期によって料金はあまり変動しません。
実費
「実費」は、梱包資材費や人件費、交通費(高速道路・有料道路の利用料など)などです。
付帯サービス
「付帯サービス」とは、エアコンの設置や不用品の処分など、いわゆるオプション料金のことを指します。これも業者や時期によって変動するものではありません。
では、どうして繁忙期になると引っ越し料金が高くなると感じるのでしょうか。その理由の一つとして、繁忙期以外のシーズンに割引料金が適用されていることが考えられます。
繁忙期に割増料金が適用されているからではなく、繁忙期以外のシーズンに割引料金が適用されることが多いために、繁忙期の引っ越し見積もり料金が高いと感じられてしまうと言えるでしょう。
やむをえない事情があるときを除き、よりお得に引っ越しするためには、見積もり料金が通常価格となりやすい繁忙期より、割引料金が適用されることが多い時期を選ぶのがよさそうです。
また、全日本トラック協会のデータからは、同じ繁忙期でも、3月中旬以前まで、あるいは4月中旬以降に引っ越しをすることで、費用が最も高くなる時期を避けられると推測できます。

引越し繁忙期の見積もり料金は最大で通常期の4割増し!
依頼が集中しやすい繁忙期は、業者の人手が不足するために希望する日に引っ越しできないことがあるだけでなく、引越し料金が高くなってしまう傾向があることが分かりました。では、繁忙期の引越し見積もり料金は、通常期(閑散期)と比べてどのくらい高くなるのでしょうか。
繁忙期(2月~4月)
単身 (荷物小) | 単身 (荷物大) | 2人家族 | |
---|---|---|---|
全平均 | 平均 5万1460円 | 平均 7万4417円 | 平均 9万7915円 |
~15km未満 (同市区町村程度) | 平均 4万1643円 | 平均 5万8037円 | 平均 7万7105円 |
~50km未満 (同都道府県程度) | 平均 4万7046円 | 平均 6万2733円 | 平均 8万8676円 |
~200km未満 (同一地方程度) | 平均 5万640円 | 平均 8万2034円 | 平均 11万5353円 |
~500km未満 (近隣地方程度) | 平均 5万7666円 | 平均 9万5646円 | 平均 15万972円 |
500km以上 (遠距離地方程度) | 平均 6万8643円 | 平均 11万7857円 | 平均 21万619円 |
3人家族 | 4人家族 | |
---|---|---|
全平均 | 平均 12万3358円 | 平均 15万5096円 |
~15km未満 (同市区町村程度) | 平均 9万8682円 | 平均 12万1838円 |
~50km未満 (同都道府県程度) | 平均 11万2420円 | 平均 14万1978円 |
~200km未満 (同一地方程度) | 平均 14万3949円 | 平均 17万6781円 |
~500km未満 (近隣地方程度) | 平均 19万3537円 | 平均 23万9650円 |
500km以上 (遠距離地方程度) | 平均 27万1526円 | 平均 30万6554円 |
通常期(5月~1月)
単身 (荷物小) | 単身 (荷物大) | 2人家族 | |
---|---|---|---|
全平均 | 平均 4万3770円 | 平均 5万6966円 | 平均 7万4505円 |
~15km未満 (同市区町村程度) | 平均 3万6167円 | 平均 4万8059円 | 平均 6万4815円 |
~50km未満 (同都道府県程度) | 平均 3万8465円 | 平均 4万9448円 | 平均 7万794円 |
~200km未満 (同一地方程度) | 平均 4万5756円 | 平均 6万4775円 | 平均 8万6478円 |
~500km未満 (近隣地方程度) | 平均 5万4951円 | 平均 7万9856円 | 平均 11万40円 |
500km以上 (遠距離地方程度) | 平均 6万4548円 | 平均 9万9350円 | 平均 15万7166円 |
3人家族 | 4人家族 | |
---|---|---|
全平均 | 平均 9万2675円 | 平均 11万5730円 |
~15km未満 (同市区町村程度) | 平均 7万9792円 | 平均 9万9192円 |
~50km未満 (同都道府県程度) | 平均 8万9344円 | 平均 11万8144円 |
~200km未満 (同一地方程度) | 平均 10万5281円 | 平均 13万4928円 |
~500km未満 (近隣地方程度) | 平均 14万8712円 | 平均 17万9745円 |
500km以上 (遠距離地方程度) | 平均 19万6619円 | 平均 23万8990円 |
上の表は、リクルート住まいカンパニーが実施した「引越しに関する実態把握調査」で、繁忙期と通常期の料金相場です。
これによると、例えば「単身」で同一県内(50km未満)に引越しする場合、通常期であれば平均が3万円台後半であるのに対して、繁忙期だと4万円台になっていることが分かります。
上記データをもとに、繁忙期の引越し料金が通常期に比べてどれくらい高くなるのか、家族構成、引越しする距離ごとにまとめたのが以下の表です。
増減率(繁忙期の引越し費用相場/通常期の引越し費用相場) | 単身 (荷物小) | 単身 (荷物大) | 2人家族 |
---|---|---|---|
全平均 | 1.18 | 1.31 | 1.31 |
~15km未満 (同市区町村程度) | 1.15 | 1.21 | 1.19 |
~50km未満 (同都道府県程度) | 1.22 | 1.27 | 1.25 |
~200km未満 (同一地方程度) | 1.11 | 1.27 | 1.33 |
~500km未満 (近隣地方程度) | 1.05 | 1.20 | 1.37 |
500km以上 (遠距離地方程度) | 1.06 | 1.19 | 1.34 |
増減率(繁忙期の引越し費用相場/通常期の引越し費用相場) | 3人家族 | 4人家族 |
---|---|---|
全平均 | 1.33 | 1.34 |
~15km未満 (同市区町村程度) | 1.24 | 1.23 |
~50km未満 (同都道府県程度) | 1.26 | 1.20 |
~200km未満 (同一地方程度) | 1.37 | 1.31 |
~500km未満 (近隣地方程度) | 1.30 | 1.33 |
500km以上 (遠距離地方程度) | 1.38 | 1.28 |
繁忙期の引越し料金は、通常期と比較すると最大で4割以上も高くなるケースがあることが分かります。
繁忙期と通常期の引越し料金に必ずしも大きな開きがあるわけではありませんが、平均すると2割程度、繁忙期の料金が高くなることが分かります。
ただし、これはあくまで目安です。家族構成や引越しする距離だけでなく、荷物の量や利用する「付帯サービス」などによって変動することも押さえておきたい点です。

繁忙期の引っ越し見積もり費用を安くする方法は?
通常期に比べて繁忙期の引っ越し料金が高くなる傾向があることは分かりました。できれば安い時期に引っ越ししたいものですが、事情により繁忙期に引っ越しをせざるを得ない方も多いことでしょう。
繁忙期だとしても、引っ越しの見積もり料金を抑えるためにできることは少なくありません。費用を安くするのに役立つ方法をご紹介します。
複数の業者に見積もりを依頼する
引っ越しの料金を安くする最も一般的な方法としておすすめなのが、相見積もりをとる、すなわち複数の業者に見積もりを依頼することです。
とくに急いでいるときなどは、一社にだけ見積もりを出して料金相場を判断しようとしてしまいがちですが、それでは引っ越し費用が高くなるおそれがあるため、おすすめできません。
引っ越し業者は、はじめから一つに絞ってしまうのではなく、複数の業者に見積もりを依頼するようにしましょう。
例えば、引っ越しする日時や担当する作業員の人数が同じだとしても、業者ごとに見積もり料金に差があるケースが少なくありません。相見積もりをとるように心がけ、提示された料金とサービス、両面において納得できる業者に決めるとよいでしょう。
引っ越し料金を抑えるのに役立つ相見積もりをとるのにおすすめなのが、「引っ越しと見積もり比較サイト」です。
引っ越しを急いでいるときでも、住所や引っ越し時期、家族構成など、簡単な情報を入力するだけで、複数の業者に一気に見積もりを依頼できて便利です。もちろん無料で利用できます。
引っ越しの日程を早めに決定し、早く申し込む
早めに引っ越しを申し込むことで、料金を安くすることができる場合もあります。とくに繁忙期は、引っ越し希望日が早いうちに埋まってしまうことも。異動が直前になって知らされた場合など、突然の引っ越しが強いられるケースでない限り、日どりをできるだけ早く決めて、早めに見積もりを出すようにするとよいでしょう。
とはいえ、引っ越しの見積もりには3カ月や半年など、受付可能な期間が定められているのが一般的。どのくらい先の見積もりを依頼できるのか、事前に確認しておきたいところです。
引っ越し候補日を複数出す
引っ越しする候補日を複数用意しておくのもおすすめです。引っ越し料金の割引率は、引っ越しする日ごとに異なります。見積もり時に複数の候補日を伝えることができれば、そのうち最も引っ越し料金が安くなる日を選ぶことができます。
月末月初は避ける
同じ繁忙期でも、月末月初を避けることで引っ越し料金を抑えられることもあります。とくに賃貸物件の更新時期の関係で、月末に引っ越しをするケースが多く、月末の料金が高くなる傾向があります。
逆に、最も料金が安くなると言われるのが、月の中旬。やむを得ない場合を除いて、月末月初は避けるとよいでしょう。
平日を選ぶ
引っ越しを平日に行うのも料金を安くするのに有効な手です。仕事がない日にしか作業に立ち会えないなどの理由で、繁忙期のなかでも休日はとくに混み合う傾向があります。
突然の異動に対応しなくてはならないなど、急な場合を除いて、なるべく平日を選んで見積もりを依頼するとよいでしょう。
大安を避け仏滅や赤口を選ぶ
あえて大安を避けて、仏滅や赤口などを選ぶのもおすすめです。新生活のスタートをきっかけに引っ越しすることが多いためか、引っ越しする日のお日柄、とくに六曜を気にされている方が少なくありません。
縁起がよいとされる大安の日が選ばれる傾向があるため、仏滅や赤口に比べて大安の日には引っ越しの依頼が増加傾向に。そのぶん割引が適用されにくくなるというわけです。
大安が高く、仏滅や赤口が安いというわけではありませんが、覚えておきたいですね。
作業時間帯は指定しない
引っ越しの作業時間帯を指定しないことも、料金を抑える方法として有効でしょう。時間帯によって引っ越し料金が変動することがあり、その日のうちに引越しを終えて落ち着きたいという人が多いなどの理由から、とくに人気なのが午前中です。
以下は、「単身者」と「家族・カップル」、それぞれの時間帯ごとの引っ越し料金の一例です。
【時間帯ごとの引越し料金(平均)】
単身者の引越し料金平均 | 家族(カップル含む)の引越し料金平均 | |
---|---|---|
7時以前 | 2万6885円 | 13万8526円 |
8時ごろ | 5万9986円 | 10万4584円 |
9時ごろ | 5万4808円 | 9万8998円 |
10時ごろ | 4万3813円 | 8万793円 |
11時ごろ | 3万8617円 | 6万8070円 |
12時ごろ | 4万757円 | 6万3509円 |
13時ごろ | 3万8849円 | 6万595円 |
14時ごろ | 4万350円 | 6万843円 |
15時ごろ | 3万5422円 | 6万436円 |
16時ごろ | 3万4197円 | 6万6537円 |
17時ごろ | 3万741円 | 5万9953円 |
18時ごろ | 3万3430円 | 7万5874円 |
19時ごろ | 3万9500円 | 5万4745円 |
※引越し業者を利用した、移動距離50km未満の引越しの場合
業者によって対応可能かどうかが異なる「7時以前」を除けば、「単身者」「家族・カップル」ともに、「8時ごろ」が最も高くなっていることが分かります。引っ越し業者が予定を組みやすいと割引料金が適用されやすくなるので、希望の時間帯に幅を持たせるとよいでしょう。
できるだけ荷物を減らす
荷物を少なくするのもおすすめです。引っ越し料金は、「大型トラック」「中型トラック」など、使用するトラックの大きさによって料金が異なります。
以下は、トラックの大きさごとの料金相場を表にしたものです。新生活に不要なものを事前に処分することができれば、料金を大幅に抑えることができます。ぜひ参考にしてください。
【トラックの大きさごとの料金の相場】
トラックの種類 | 大きさ | 荷物量の目安 | 料金の目安 |
---|---|---|---|
軽トラック | 約5~5.5m3程度 | 単身(荷物小) | 3万4372円 |
1.5トントラック 2トンショートトラック | 約10~11m3程度 | 単身(荷物大) | 4万8697円 |
2トンロングトラック 2.5トントラック | 約15~17m3程度 | 家族(2人) | 6万9887円 |
3トントラック | 約25m3程度 | 家族(3人) | 8万4074円 |
4トントラック | 約30m3程度 | 家族(4人) | 11万1624円 |
10トン以上の大型トラック | 約40m3程度 | 家族(5人以上) | 16万2946円 |
※引越し業者を利用した、移動距離50km未満の引越しの場合
<調査概要>
「引越しに関する実態把握調査」(リクルート住まいカンパニー)
【調査実施時期】 2013年3月22日(金) ~2013年3月29日(金)
【調査対象者】 18~69歳の男女
【調査方法】 インターネット調査
【有効回答数】 20,000サンプル
【調査実施機関】楽天リサーチ株式会社
見積もり時に荷物の量をできるだけ的確に伝える
見積もり依頼した際の申告よりも実際の荷物が多かった場合、引っ越し業者から追加料金を請求されることがあります。想定外の出費をなくすためには、見積もり時に荷物の量をできるだけ的確に伝えるようにしましょう。
把握するのが難しい場合は、訪問見積もりを利用したり、スマホで撮影した画像を業者に送るなどするのがよいでしょう。
引っ越し業者が用意するダンボールを利用する
可能な限り、業者が用意するダンボールを利用するとよいでしょう。
引っ越し業者のダンボールは作業を効率化できるよう、大きさや強度が工夫されています。そのため、ダンボールを自分で用意した場合、運びにくかったり、トラックに思うように積めなかったりと、作業効率を悪くしてしまう恐れがあるようです。社外のダンボールを使用したことで、料金が割高となるケースもあります。
ダンボールは業者から提供される場合がほとんどですが、無料でもらえるダンボールの個数は業者によってまちまち。プランによっても異なるので注意が必要です。
混載便を利用する
混載便も積極的に利用しましょう。混載便とは、同じ方向に向かう複数の引っ越しの荷物を積載する引っ越しトラックのことを言います。
1台のトラックで多くの引っ越しをまかなえるため、引っ越し料金が安く設定されることが多いようです。運ぶことができる荷物の量は限られてきますが、引っ越し見積もり時に確認してみるとよいでしょう。
梱包・荷ほどきは自分で行う引っ越しプランにする
梱包や荷ほどき、片付けなど、引っ越しに伴う周辺的な作業を自分で行うことも、料金を抑えることにつながります。引っ越し業者によっては、梱包や荷ほどきなども業者に依頼できるプランを用意しています。ところが、こうしたプランは引っ越し作業を簡略化できる半面、料金が高く設定されている場合がほとんどです。

まとめ
繁忙期は引越しの見積もり料金が割高となる傾向があります。通常期と比較すると最大で4割以上、平均すると2割程度高くなるようです。引越し料金を安く済ませるためにも、計画的に準備し、効率的かつスムーズに作業を進めてください。
※特記のない記事内データは、2020年4月時点の「SUUMO引越し見積もり」口コミデータより算出しています
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写真:PIXTA
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