引越し見積もりが30万~50万円? 料金が決まる仕組みや安くする方法も解説
最終更新日 2023年10月25日
引越し見積もりで、30万円、40万円、50万円など、なぜ高い金額になってしまうことがあるのでしょうか? 引越し業者に依頼が集中する繁忙期は、引越し料金が高くなる傾向があります。「見積もりを依頼したら、50万円以上の提示を受けた」との報道がなされるなど、一部では見積もり料金が異常なほど高騰しているケースもあるようです。適正な価格で引越しするには、相場を知ることが欠かせません。実際の引越し料金相場について、料金が決まる仕組みや安くする方法とあわせて紹介します。
■目次
・引っ越し見積もり料金はどうやって決まるの?
・引越し見積もり料金が50万超え!? 繁忙期の相場をチェック
・引っ越し難民にならないために!料金を安くするポイント
・見積もりの注意点について
・引越し料金を安くするなら一括見積もりサイトの利用がおすすめ

引っ越し見積もり料金はどうやって決まるの?
引っ越し料金が荷物量や移動する距離に比例して高くなることはなんとなく分かっていても、引っ越し料金がどのように決まるのかを知らない方もいるのでは。引っ越し料金を安くするためにも、まずは料金が決まる仕組みを理解しておきましょう。
引っ越し料金の内訳
引っ越し料金には、「基本運賃」「実費」「オプション料金」が含まれています。このうち、「基本運賃」は引っ越しにおける移動距離、作業時間によって決まるもの。国土交通省がモデルとなる約款を定めているため、業者によって大きく変動することはありません。
「実費」は、人件費(作業員)や梱包資材費(ダンボール箱など)、交通費(高速道路の利用料)などを指します。エアコンの設置やピアノなど特殊な荷物の輸送費、ハウスクリーニング、不用品処分などにかかるのが「オプション料金」です。
引っ越しする時期によっても料金が変動
引っ越し料金は、「基準運賃」「実費」「オプションサービス」だけではなく、引っ越しする時期によっても変わります。引っ越し見積もり料金が高くなるのは、きまって業者に依頼が集中する時期です。
依頼の数がピークとなるのは、3月から4月にかけて。引っ越し業者が繁忙期を迎えると、それ以外の時期(通常期/閑散期)に適用されることが多い割引料金が適用されなくなる傾向があります。
そのため、繁忙期の引っ越し見積もり料金は「高い!」と感じられることがあり、実際には通常期/閑散期と比べて4割増しとなるケースもあるようです。
基本運賃の算出方法
先述したように、基本運賃は、移動時間による「時間制」と、移動距離による「距離制」のどちらかを採用して運賃が決まります。
時間制
「4時間」または「8時間」をベースに、1時間超過するごとに追加料金が発生
距離制
100km(軽貨物業者は30km)をベースに、超過距離によって追加料金が発生
日程や時間帯によっては割増料金となり、深夜や早朝は3割増、休日は2割増で加算されます。また、冬期に積雪量が多いエリアを季割増適用地域とし、所定期間の料金は2割増になります。

引越し見積もり料金が50万超え!? 繁忙期の相場をチェック
このところ、引越し業者の人員不足が深刻化しています。引越し業者各社は法人顧客と長期的な契約を結んでいたりするなど、繁忙期ともなれば、個人の引越しに充当できる人員が極端に少なくなる傾向があるようです。
繁忙期の引越し見積もり料金は高騰する傾向に
50万円〜60万円といった強気の見積もりが提示されるケースも。なかには、数社から100万円を超える見積もり額の提示を受けた例があるとの報道もありました。
こうした法外な見積もり料金はあくまで例外的なケースです。とはいえ、繁忙期の引っ越し料金が高くなる傾向が強まっています。
実際、繁忙期の引越し見積もり料金はどのくらい高くなる?
繁忙期の引越しはできるだけ避けたいところですが、春から新生活を始める方など、そうもいかないケースも多いことでしょう。引っ越し見積もり料金が高騰するなか、できるだけ引越し料金を安くあげるためにも、まずは料金相場を理解しておくことが大切です。
以下は、家族構成×移動距離ごとの引越し見積もり料金の平均相場を閑散期と繁忙期とで比較したものです(引越し業者を利用した、3LDK・4Kの間取りの引越しの場合)。
【閑散期の引越し見積もり料金】
単身(荷物小) | 単身(荷物大) | 2人家族 | |
---|---|---|---|
~15km未満 (同市区町村程度) | 4万4,610円 | 5万7,516円 | 7万3,618円 |
~50km未満 (都道府県内程度) | 4万5,313円 | 6万2,888円 | 7万8,083円 |
~200km未満 (同一地方内程度) | 5万5,635円 | 6万9,630円 | 10万2,037円 |
~500km未満 (近隣地方程度) | 6万4,359円 | 9万3,929円 | 12万2,242円 |
~500km以上 (遠距離地方程度) | 7万5,418円 | 10万7,108円 | 17万589円 |
3人家族 | 4人家族 | 5人家族 | |
---|---|---|---|
~15km未満 (同市区町村程度) | 8万7,447円 | 10万8,578円 | 10万8,578円 |
~50km未満 (都道府県内程度) | 11万9,981円 | 12万7,325円 | 17万4,294円 |
~200km未満 (同一地方内程度) | 11万8,751円 | 15万19円 | 20万6,405円 |
~500km未満 (近隣地方程度) | 16万2,278円 | 19万3,083円 | 31万9,713円 |
~500km以上 (遠距離地方程度) | 21万1,452円 | 29万61円 | 35万6,905円 |
※2020年4月時点の「SUUMO引越し見積もり」口コミデータより算出。最新のデータはこちらをご覧ください
【繁忙期の引越し見積もり料金】
単身(荷物小) | 単身(荷物大) | 2人家族 | |
---|---|---|---|
~15km未満 (同市区町村程度) | 5万1,089円 | 7万2,802円 | 8万7,663円 |
~50km未満 (都道府県内程度) | 7万506円 | 8万1,721円 | 10万3,290円 |
~200km未満 (同一地方内程度) | 6万86円 | 9万25円 | 13万6,638円 |
~500km未満 (近隣地方程度) | 5万9,021円 | 10万2,128円 | 14万9,987円 |
~500km以上 (遠距離地方程度) | 7万9,282円 | 12万9,658円 | 22万9,519円 |
3人家族 | 4人家族 | 5人家族 | |
---|---|---|---|
~15km未満 (同市区町村程度) | 10万9,041円 | 13万2,049円 | 13万2,049円 |
~50km未満 (都道府県内程度) | 10万1,212円 | 16万6,971円 | 20万8,288円 |
~200km未満 (同一地方内程度) | 15万6,510円 | 20万1,525円 | 26万7,858円 |
~500km未満 (近隣地方程度) | 22万7,847円 | 25万7,208円 | 35万5,528円 |
~500km以上 (遠距離地方程度) | 30万4,059円 | 32万6,861円 | 38万6,693円 |
※2020年4月時点の「SUUMO引越し見積もり」口コミデータより算出。最新のデータはこちらをご覧ください
平均すると、引越し見積もり料金は、50万円や60万円には届いていないようですが、40万円近い金額も見られます。「500km以上(遠距離地方程度)」×「3人家族」の場合で、閑散期で20万円台前半だったのが繁忙期には30万円超えとなるなど、4割以上高くなっているケースもあるようです。

引っ越し難民にならないために!料金を安くするポイント
場合によっては、30万円や40万円といった高額な見積もり料金が提示される可能性があることが分かりましたが、工夫次第で引越し代を安くすることができます。なかでも取り組みやすく、効果が高い方法についてまとめました。
荷物量に関する節約法
引っ越し料金の「基本運賃」は、荷物量と移動する距離、作業時間によって決まります。引っ越し先は変えられませんが、荷物量を少なくすることで、引っ越し料金を大きく抑えることが可能。
もし使用するトラックがワンサイズ小さくなれば、引っ越し代の大幅な節約につながります。以下は、トラックの大きさごとの料金相場です。
【トラックの大きさごとの料金の相場】
トラックの種類 | 大きさ | 荷物量の目安 | 料金の目安 |
---|---|---|---|
軽トラック | 約5~5.5㎥程度 | 単身(荷物小) | 3万4,372円 |
1.5tトラック 2tショートトラック | 約10~11㎥程度 | 単身(荷物大) | 4万8,697円 |
2tロングトラック 2.5tトラック | 約15~17㎥程度 | 家族(2人) | 6万9,887円 |
3tトラック | 約25㎥程度 | 家族(3人) | 8万4,074円 |
4tトラック | 約30㎥程度 | 家族(4人) | 11万1,624円 |
10t以上の大型トラック | 約40㎥程度 | 家族(5人以上) | 16万2,946円 |
※引越し業者を利用した、移動距離50km未満の引越しの場合。調査概要は文末に記載。
不用品の処分
まずは不用品の処分から始めましょう。例えば、長く着用していない洋服や雑貨、キッチン用品など、「いつか使うかも」と思ってとってあるものは、量が増えると引っ越し料金に影響します。
使用頻度が低いものは思い切って捨ててもよいし、引越し日まで余裕のある人は、フリマアプリやネットオークションを利用して引っ越し料金の足しにするのもおすすめです。
大型家具は転居先で購入
引っ越しを機に、使い古した家具や家電などの処分を考えている人も多いと思います。
その場合、新しい家財は転居先で購入するのがよいでしょう。とくに大型の家具や家電の運搬が不要となれば、ワンサイズ小さいトラックでの引っ越しが可能になるかも知れません。
見積もり時に荷物量を的確に伝える
見積もり時に、荷物量をできるだけ的確に伝えることも、引っ越し代の節約につながります。
もし依頼時の申告と実際の荷物量に大きな違いがあると、作業後に追加料金を請求されるケースがあります。見積もり時に荷物量をきちんと把握できれば、想定外の出費が避けられるというわけです。
自分では正確な荷物量が判断できないようなら、訪問見積もりを利用しましょう。
プランに関する節約
引っ越し業社はお得なプランや期間限定キャンペーンを実施しているところも多いので、引っ越し時期に適用されているキャンペーンやプランがあれば積極的に活用しましょう。中には基本プランに含まれるサービスが除外されているケースもあるので、プラン内容はしっかりチェックを。
また、荷造りや荷解き、荷物の一時預かり、不要品の処分などのオプションサービスはなるべく使わないようにすれば、手間はかかるものの、引っ越し費用を最小限に抑えられます。
引っ越し時期に関する節約法
閑散期か繁忙期かだけでなく、同じ月や日であっても、タイミングによって引っ越し見積もり料金が変わります。やむをえず繁忙期に引っ越しする場合、引越し費用を少しでも抑える方法についてご紹介します。
月末月初を避ける
4月に新生活のスタートを控え、3月に引っ越しを予定している方も多いと思います。その場合は、月末月初を避けて引っ越すのがおすすめです。
というのも、SUUMO引越し見積りユーザーの引越し希望日データから、3月の最終土曜日に希望が集中することが分かっています。
これは、賃貸物件の旧居と新居の二重家賃を防ぐために、引越し日を末日にしたい人が多いこと、仕事が土日休みの方が多いことが予想されます。
引越し料金と家賃の支払いの両方を鑑み、引越し日を設定するのがおすすめです。
大安を避ける
縁起がよいとされる日を避けて引っ越しするのもおすすめです。引越しする際、お日柄を見るのに参考にされるものの一つとして六曜が知られています。六曜では、縁起がよいとされる大安が引っ越し日として選ばれる傾向にあるようです。
逆に、仏滅や赤口といった日は引っ越しの依頼を避ける人もいるため、料金を安く抑えられる可能性が高まります。
移動する距離によって曜日を選ぶ
引越しする曜日によっても料金が変動することがあります。引っ越し業者への依頼は休日に集中する傾向がありますが、必ずしも平日のほうが安いとは限りません。
以下は、平日と土日・祝日の料金を引越し距離別にまとめたものです。
【引越し距離別の平日・土日・祝日の引越しにかかった引越し費用(繁忙期)】
平日 | 土日・祝日 | |
---|---|---|
~15km未満 同市区町村内程度 | 9万7,218円 | 10万776円 |
~50km未満 都道府県内程度 | 10万5,441円 | 11万8,670円 |
~200km未満 同一地方内程度 | 12万8,749円 | 11万9,735円 |
~500km未満 近隣地方程度 | 15万4,778円 | 19万5,306円 |
500km以上 遠距離地方程度 | 20万3,745円 | 19万9,669円 |
※2018年11月時点の「SUUMO引越し見積もり」口コミデータより算出
【引越し距離別の平日・土日・祝日の引越しにかかった引越し費用(通常期/閑散期)】
平日 | 土日・祝日 | |
---|---|---|
~15km未満 同市区町村内程度 | 7万7,635円 | 8万1,255円 |
~50km未満 都道府県内程度 | 7万7,665円 | 8万1,998円 |
~200km未満 同一地方内程度 | 9万2,296円 | 8万8,843円 |
~500km未満 近隣地方程度 | 11万7,509円 | 11万5,234円 |
500km以上 遠距離地方程度 | 14万6,472円 | 16万5,141円 |
※2018年11月時点の「SUUMO引越し見積もり」口コミデータより算出
比較的近距離を移動する引越しの場合は平日、遠距離の引越しの場合は土日・祝日の見積もり料金が安いことがわかります。移動距離によって引越しする曜日を見直す価値がありそうです。
午後便/フリー便を利用する
引越し作業を午前中にしてしまいたい人が多いなどの理由で、午後よりも午前に引越し業者への依頼が多くなる傾向があります。そのため、午前と午後で料金に大きな違いが出ることも。
以下は、時間帯ごとの引越し見積もり料金の違いを表にしたものです。
【時間帯別の引越しにかかった引越し費用】
単身者の引越し料金 | 家族(カップル含む)の引越し料金 | |
---|---|---|
7時以前 | 2万6,885円 | 13万8,526円 |
8時ごろ | 5万9,986円 | 10万4,584円 |
9時ごろ | 5万4,808円 | 9万8,998円 |
10時ごろ | 4万3,813円 | 8万793円 |
11時ごろ | 3万8,617円 | 6万8,070円 |
12時ごろ | 4万757円 | 6万3,509円 |
13時ごろ | 3万8,849円 | 6万595円 |
14時ごろ | 4万350円 | 6万843円 |
15時ごろ | 3万5,422円 | 6万436円 |
16時ごろ | 3万4,197円 | 6万6,537円 |
17時ごろ | 3万741円 | 5万9,953円 |
18時ごろ | 3万3,430円 | 7万5,874円 |
19時以降 | 3万9,500円 | 5万4,745円 |
※引越し業者を利用した、移動距離50km未満の引越しの場合。調査概要は文末に記載
単身者の場合で3万3,101円、家族(カップル含む)の場合で8万3,781円と、最も安い時間帯と最も高い時間帯とで料金が大きく違ってくることが分かります。時間に余裕がある場合は、午後便や時間帯を指定しないフリー便を利用するのがおすすめです。
移動距離に関する節約
荷物量が少ない場合は、混載便を利用する手もあります。
混載便とは、同じ方向に移動する複数の荷物をまとめて積載する引越しトラックのこと。コスト削減が可能なため、比較的安い料金が設定されています。単身者はぜひ活用してみてください。

見積もりの注意点について
引っ越し業者に見積もりを依頼する際に、注意すべきポイントについて解説します。
見積もりには有効期限がある
引っ越し業者を決める際に見積もりを出してもらいますが、見積もりには有効期限があるので注意が必要です。見積もりの有効期限は一般的に2カ月程度と言われています。事前に相場感を知るために見積もりを出してもらっても、申込みするまでに有効期限が切れてしまった場合は、再度見積もりを取り直すことになります。
繁忙期や早割プランなど早めに引っ越し業者を決めておく必要がある場合を除けば、引っ越し業者に見積もりを取るのは、引っ越しの1カ月半前程度で問題ないでしょう。
トラックの容量に応じて料金が変わる
引っ越し料金は荷物量によって変わりますが、トラックの容量ごとに変動することがほとんどなので、たとえダンボール5個分の荷物を減らしたとしても、もともとトラックに積み切れる量であれば料金は変わりません。引っ越し業者に正確な容量を把握してもらうために、できるだけ正確に荷物のサイズや量を伝えましょう。少し余裕があるくらいのトラックの容量にしておくと、少し荷物が増えても積み切れなくなることがないので安心です。

引越し料金を安くするなら一括見積もりサイトの利用がおすすめ
引越しする時期やタイミングで、料金は大きく変動します。同じ日、同じ時間帯でも、業者によって異なる見積もり料金を提示されることも少なくありません。一括見積もりサイトなら、手軽に最安料金を知ることが可能。場合によっては、最大で50%も安くできるケースもあります。50万円や60万円あるいは100万円といった見積もり料金だったとしても、他社と比較してその妥当性がわかります。積極的に活用して、引越しシーズンを乗り切ってください。
「引越しに関する実態把握調査」(リクルート住まいカンパニー)
【調査実施時期】 2013年3月22日(金) ~2013年3月29日(金)
【調査対象者】 18~69歳の男女
【調査方法】 インターネット調査
【有効回答数】 20,000サンプル
【調査実施機関】楽天リサーチ株式会社
写真:PIXTA
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