訪問見積もりにかかる時間と、引越し料金を抑えるポイントとは?
引越しをしようと決めたら、まずはどこの引越し業者に依頼するかを決める必要があります。その際に行われるのが「見積もり」。単身者の場合は電話で済ませられることもありますが、荷物の量を正確に把握してもらうためにも訪問見積もりは必須といってよいでしょう。この「見積もり」、いったいどんなことを確認するの? かかる時間は? 交渉ってできるの? などなど、気になることも多いですよね。クロネコヤマトの引越サービスと、引越しオーガナイザー®の門野内絵理子さんに、見積もりについて聞いてみました。

そもそも見積もりでは何をするの?
そもそも、引越しの際の見積もりでは、どのようなポイントを確認するのでしょうか? クロネコヤマトの引越サービスによると、以下のポイントをチェックしているそうです。
・荷物の量
「まずはこれが一番のチェックポイント。特にご家族の引越しは、荷物の量に幅があります。電話ではなかなか正確な量を把握しにくいので、当社では直接ご訪問するのが基本。荷物の量は、引越しの距離と並んで料金を決定する重要なポイントになるので、正しい荷物量をつかんでおくことは、引越し業者とお客様、どちらにとってもメリットになります」(クロネコヤマトの引越サービス・以下同)
・家の周辺の状況
「家の前に引越しのトラックが通れる広さの道路があるかどうか、もしもない場合はどれくらいの距離を歩いて移動する必要があるかを確認します。移動距離が長いならスタッフの増員が必要になりますので、これも大切なポイント。もちろん、新居についても同様にお聞きしますので、可能であれば見積もり前に一度確認しておいていただくのがベストですね」
・新居が集合住宅の場合、エレベーターはあるか(使えるか)
「荷物を運ぶのに、エレベーターを使用できるかどうかを確認します。マンションによっては、時間帯によってエレベーターの使用に制限があったり、新築マンションの一斉入居などの場合には、引越しが複数件重なってしまったり、それを避けるために管理会社などが引越し作業のスケジュールを組んでいることも。こちらも、可能であれば事前に確認をとり、エレベーターを使用できるかどうか、また引越し時間に制限はないかなどを確認しておきましょう」
・必要なオプションを提案
「家の中を拝見して、荷物が多ければ梱包のお手伝いや、エアコンを持っていかれるのならその取り外しや新居での設置、ピアノのあるご家庭なら輸送の手配など、オプションサービスのご提案をします。お客様が見落としているところもしっかりとチェックし、必要なサービスでサポートさせていただきます」
訪問見積もりにはメリットがたくさん。直接訪問してもらえれば、「ダンボールがどれくらい必要か」「不用品の処分をお願いできるか」など、気になることも直接相談できます。ちなみに、見積もりにかかる時間は30分~1時間ほどですが、上記の情報が不十分だと見積もりの算出に時間がかかってしまったり、料金が後から追加になってしまったり、反対に料金を抑えられるポイントを見落としてしまったりといった不利益が発生してしまうことも。上に挙げた以外に「どこに引越すか・いつ引越すか」という基本的な情報を用意しておくこともお忘れなく!

見積もり、どうやったら安くなる?
訪問を受けて、見積もり金額を見てみたら「思ったより高いかも……」と感じることもあるかもしれません。もちろん引越し業者は、その時点での適正な金額を出してくれているので、無理な交渉はNG。ですが、見積もり金額を安く抑える方法はないのでしょうか? 引越しオーガナイザー®の門野内さんによると、「できる限り業者に合わせてスケジュールや条件を出すことで、料金は抑えることが可能です」とのこと。
ちなみに、各世帯の引越し料金の相場は以下のとおり(同一県内(50km未満)の場合)。
【単身者・荷物が少ない】
繁忙期(2~4月)…4万7620円
通常期(5~1月)…3万6049円
【単身者・荷物が多い】
繁忙期(2~4月)…5万8198円
通常期(5~1月)…4万5379円
【2人家族】
繁忙期(2~4月)…8万2184円
通常期(5~1月)…6万7996円
【3人家族】
繁忙期(2~4月)…10万7916円
通常期(5~1月)…8万3365円
【4人家族】
繁忙期(2~4月)…13万1835円
通常期(5~1月)…11万2698円
※SUUMO引越し見積もり「相場」ページより算出
荷物の量や移動距離、その他の条件によっても料金は変動しますが、おおよその相場はこのようになっています。
料金を抑えるコツとは、どのようなポイントなのでしょうか?
「どなたも日時の希望はあると思いますが、ベストなのは『いつでも大丈夫』であること。最近、引越し業者の方でも『フリー便』というような名前のプランを用意してくれていますが、日時の指定をしないことで、引越し業者の空いている時間に入れてもらいやすくするんです。これがなぜ安くなるかというと、引越しはどうしても休日や午前の時間に集中し、引越し業者の予約は埋まっている状態。反対に、平日や午後は空きがでることもあります。そこへフリー便の引越しを入れることでトラックのスペースも効率よく使うことができるからです」(門野内さん・以下同)
もちろん、「平日は仕事だから……」という人は無理をしなくてもOK。「午後でもいい」「何曜日ならOK」というように、少しでも幅をもたせることで、日程の選択肢はグンと広がりますね。
「それから、自分が引越し業者にどこまでお願いしたいのかをしっかりと考えて、優先順位をつけておくこと。例えば、荷物の梱包を頼みたいとか、家電の設置をやってほしい、とにかく安くすませたい……など、自分がどのような引越しを希望しているのか、譲れない条件は何か、を考えておきましょう。そうすれば、不要なオプションを提案されてもきちんと断ることができ、見積もり金額の上昇を抑えることにつながります」
自分に必要なことを把握しておいて、それだけをお願いすればOKというのが理想的な状態ですね。
「引越しの見積もりをとる際は、複数の引越し業者に見積もりを依頼することもあると思いますが、そのときにも『自分に必要なサービス』を把握しておくことがとても大切。A社はオプションAがついていて、B社はオプションBがついていて……というように、条件が変わってしまうと相見積もりの意味がなくなってしまいます。お願いしたいことをしっかりと伝え、不要なサービスはきちんとお断りして、自分に合った内容の見積もりをとりましょう」
また、複数社に一括でコンタクトをとる際には、返信や連絡が重なることが多いもの。電話やメールなど、引越し業者によってさまざまな方法で連絡がきますが、あわてずに対応できるよう、時間のあるときに問い合わせをするのがよいそうです。その際にも、通常の見積もり以外にお願いしたいサービスや、運べるかどうか不安な荷物などがあれば相談したうえで見積もりに来てもらえば、改めて相談をする手間も省けますね。
引越しの第一歩ともいえる「見積もり」。適正な金額で引越しをするためにも、訪問見積もりは必須といえそうです。また、コストを抑えるためにも譲歩できるところは譲歩し、日時もフレキシブルに対応できるのが理想。引越し準備なども、言われるがままにサービスを受けるのではなく、自分でできるところは自分で準備を。もちろん困ったところは引越し業者に相談してサポートを求めましょう。
できるだけコストを抑え、かしこく引越しをしたいですね。
取材協力
クロネコヤマトの引越サービス http://www.008008.jp/
引越しオーガナイザー® 門野内絵理子
引越し回数11回の経験をもとに、引越しを通して思考と空間を整理し、暮らしやすい家をプロデュースする「引越しオーガナイザー®」として活動中。
http://hikkoshi-org.wixsite.com/home
掲載:2017年4月10日
写真:PIXTA
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