部署異動・転勤には必須!挨拶文のおさえるべきポイント
公開日 2016年08月30日
会社の部署異動や転勤の際、お世話になった人へ、お礼や挨拶文を送る必要があります。そのとき、どのような文章で挨拶をするのがベストなのでしょうか。ビジネスマナーの公開セミナーを行う鈴木真理子先生にポイントを聞きました。

挨拶文は手紙で送るべき? メールで送るべき?
まず悩むのが挨拶を伝える手段。手紙とメール、どちらを送ればいいのでしょうか。
「正式なのは手紙ですが、相手に早く届き、返信も簡単というメリットから、今はメールが主流化しています。取締役や専務などの重役には手紙のほうが失礼はありませんが、日ごろから交流のある相手にはメールでの挨拶でも問題ありません」(鈴木先生)
それでは、今回は主流となる“メールでの挨拶文”について聞いていきましょう。
「メールを送る前に気をつけなければならないのが、CCやBCCの使い方です。挨拶文を送るときは、自分の上司を忘れずにCCに入れましょう。そうすることで、相手は『このメールの内容は社内で共有されている公式のものだ』と認識し、安心することができます。また、挨拶文は今までの感謝やこれからもお付き合いを続けていきたいという“気持ち”をこめて送るもの。送り先のアドレスが見えてしまうCCはもちろんですが、アドレスが見えないBCCでも『みなさまへ』などと一斉に送信するのはやめましょう」
メールを送るタイミングは、異動内容を社外に知らせて良い期日がきたら、すぐに送るのがベスト。そうすることで、「相手が連絡したくても、すでに異動してしまっていた……」「挨拶に行きたくても、期日が近すぎて難しい」という“失礼な事態”を避けられるとのこと。

1.冒頭の挨拶 ~挨拶は普段通りでOK
「挨拶文には、入れるべき5つの要素があります。ひとつ目は“冒頭の挨拶”です。手紙では拝啓、敬具といった“頭語と結語”や、『残暑の候』『初秋の候』といった“時候の挨拶”などが必要ですが、メールではかえって相手に距離感を与えてしまいます。『いつも大変お世話になっております』など、普段送るメールと同じような挨拶で十分です」

2.異動の内容 ~感情は入れず、簡潔に要点を伝える
「ふたつ目は“異動の内容”です。ここで伝えなければならないのが、『どこに異動するのか』『いつまで現部署にいるのか』の2点。異動先については、部署名や住所を記載するのはもちろんですが、異動先の支社などに専用のホームページがある場合は、URLを添えると親切ですね。ただし、“異動”ではなく会社を退職してほかに“転職”する場合は、転職先の会社名を具体的に出すのは禁物です。『今後は、別の道で頑張って参ります』という程度にとどめ、詳細は伝えないのがコンプライアンス的にも正解ですね。どうしても社名を伝えたい場合は、会社のメールアドレスからではなく、個人のアドレスから改めて送りましょう」
【文例】
********************
私事ですが、異動のご挨拶のためメールいたしました。
4月1日付で北海道支店へ転勤することになり、ご一報申し上げます。
□□銀行北海道支店
北海道札幌市△△X-X-X
http://www.□□bank.co.jp/hokkaido/
********************
「このとき、『残留を希望したのですが、私の意見は通らず……』といった会社の悪口だと捉えられかねない内容や、『栄転です』といった自慢に聞こえる内容は避けるのが◎。異動に関する感情は抑えて、『◯◯様とは毎週のようにお会いしていたこともあり、非常に寂しい思いでいっぱいですが……』程度にとどめておくとよいですね」
ここまではアレンジのない、定型に近い文章がふさわしいとのこと。

3.感謝の気持ち ~具体的なエピソードを入れる
「3つ目は“相手への感謝の気持ち”です。このとき、『100万円の受注をいただきまして……』『一緒に昨年度のプロジェクトを成功させ……』といったビジネスライクな話よりも、些細なことでいいので『人対人としてうれしかったこと』を挙げると、心のこもった挨拶文になります」
【文例】
********************
・「□□プロジェクトの際、大きな失敗をした私は、実はかなり落ち込んでおりました。しかし、そんなときでも◯◯様はいつも通り優しく対応してくださって、『この人のためにも頑張ろう』と思えたんです」
・「◯◯様とは、商談の前後に楽しくおしゃべりをしたり、一緒にお昼に行くことができたりと、業務以外のところでもよくしていただき、本当にありがとうございました」
********************
「感謝の言葉や思い出話は、1行もしくは1段落程度にまとめることが重要です。長くなり過ぎてしまうと、相手が返信しづらく、関係がそれっきりに……ということもありますので、できるだけ簡潔にまとめましょう」

4.後任者の情報 ~活躍を伝え、安心感を与える
「4つ目には、“後任者に関する情報”を入れます。引き継ぎをスムーズにするためにも、メールのCCに後任者を入れ、後任者の名前、役職、連絡先を必ず書きましょう。この場合、『後任者をCCに入れております』と忘れずに一言添えることが大切です」
また、相手からすると、自分への信頼が厚ければ厚いほど、後任者への不安感が大きくなるものだとか。
「うまくバトンタッチするには、『九州支店から抜擢された□□が後任として参ります』など、後任者の活躍を伝える一文を添えるといいですね。後任者に実績がない場合は、『上司が補佐します』など、信頼できる人がサポートするということを伝えるようにしましょう」
【文例】
********************
・「4月より□□が後任として参ります。万全の引き継ぎをいたしますので、私同様、ご指導くださいませ。情報共有のため、勝手ながら本メールのCCに□□、△△を入れました」
・「4月以降は、後任の□□が担当させていただきます。□□はまだ経験不足な部分もございますが、◯◯様にご迷惑をかけぬよう、取引には上司の△△が同行いたしますので、ご安心ください」
********************

5.締めの文 ~具体的な情報を入れる
「5つ目は“締めの文”です。このとき、『直接報告すべきところを、メールで失礼します』ということを添えると好印象です。また、『お近くにお越しの際はぜひお声掛けください』という定型文は、異動先の名産や名所など、具体的な情報を混ぜることで、事務的な印象がやわらぎます」
【文例】
********************
・「転勤先の新潟県は、日本酒はもちろん、日本初の地ビールもあるようです。お酒好きの◯◯様がいらっしゃった際には、ぜひご一緒させていただきたいです。ご連絡をお待ちしております。本来であれば伺うべきところ、メールにて失礼ながらご挨拶申し上げます」
・「転勤先の愛媛県は、道後温泉が有名です。◯◯様に最良の温泉をお薦めできるよう、すてきな温泉をリサーチしておきますので、愛媛にお越しの際はぜひお声掛けください。メールにて失礼ながら、ご挨拶申し上げます」
********************
「挨拶文は堅苦しい文章になりがちで、気持ちが伝わりにくいもの。事実は簡潔に伝えつつ、ビジネスメールの範囲内で自分なりの言葉で思いを伝えられるといいですね」と、鈴木先生。
これらを参考に自分なりのメールをつくって、異動の準備を進めてみましょう。
取材協力:(株)ヴィタミンM
リンク先:http://www.vitaminm.jp/
写真:PIXTA
掲載: 2016年8月30日
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