引越し業者は組み立て家具を運んでくれる?
公開日 2016年09月23日
郊外の大型家具ショップや通販などで、自分で組み立てる家具を買う人が増えている。組み立てもそれなりに難しいが、引越しとなると、さらにいろいろな注意点がある。

ベッドや洋服ダンスなど分解・組み立てを前提とした家具はOK
組み立て家具にもいろいろあるが、分解・組み立てを前提として設計されている家具なら問題はないようだ。
「ベッド・洋服ダンスなど分解・組み立てが可能な一般的な家具であれば、作業スタッフにてお運びしております」(アリさんマークの引越社・鈴木功さん)
通常、ベッドはマットとフレームに分解できる。さらにフレームも金属製の強固な金具とボルト・ナットを使って分解できるようにしたものがある。洋服ダンスも二段、三段と積み重ね、使用する際は固定できるように設計されたものがある。このように繰り返し分解・組み立てを行うことを前提に設計された家具なら、何ら問題はないのだ。

対応が難しいのはこんな組み立て家具
では、どんな家具が問題なのか。
「ただし、木ねじで直接木材に打ち付けている組み立て家具については、対応が難しい状況です」(鈴木さん)
最近、低価格で販売されている木製の家具の中には、未完成品の状態からユーザーが自宅で組み立てるというものが増えている。本来は木ねじと接着材によって組み立て、完成したら分解はしないという使い方をするべきものなのだ。木に直接ねじ込んだ木ねじだけで組み立てた家具はなぜ問題なのか。
「直接木材に打ち付けているので、一度分解するとねじ山がなめてしまい、元通りに同じ強度で組み立てることが難しいためです」(鈴木さん)
木製の本箱などでも組み立て分解を前提にしたものは、袋ナットと呼ばれる部品を埋め込み、そこにボルトを入れて締め付けて固定するようになっている場合が多い。こうすれば金属同士なので、繰り返し締めたり緩めたりしても強度が落ちない。それに対して木に直接木ねじを打ち付けた場合は、緩めることで穴が広がり、再び打ち込んでも同じ強度を出すことができないのだ。

なるべく分解しないで運ぶ
ではいま問題になったような組み立て家具は、どうしたら運んでもらえるのだろうか。
「お客様にその家具の構造をご説明し、分解せずにそのままお運びできるサイズであれば、ゆがむ可能性をご了承いただけた場合はお運びしております」(鈴木さん)
なぜゆがむかといえば、そもそも家具は木材と木材を木ねじで組み立てただけでは、長距離の輸送に耐えるだけの強度を出せないのだ。とはいえ木ねじを緩めて分解し、再度組み立てるよりはまだ強度が保てるということだ。ただこうしたタイプの家具の中には、本棚や整理棚など大きなものが少なくなく、分解しないと部屋から出せないようなものもある。そんな場合はどうするのだろうか。
「サイズ的に分解しないとお運びできない場合は、その構造上元通りに組み立てることが
できない、つまり強度が弱まることをご了承いただけた場合はお運びしております」(鈴木さん)

分解可能家具と組み立て家具は違うもの
やはり引越しを前提に家具を選ぶときは、ここで紹介してきたような木に直接木ねじをねじ込んだようなタイプの家具を選ばないことが大事だろう。これらは組み立て家具ではあっても、分解可能な家具ではないのだ。組み立てや運搬のコストを下げるために、ユーザーに組み立てを委ねた家具だと、きちんと認識する必要があるだろう。
取材協力:アリさんマークの引越社
写真:PIXTA
掲載: 2016年9月23日
引越し対応エリアから探す
現住所(現在の住居)の都道府県をクリックしてください。
SUUMO引越し見積もりでは、各都道府県の住みたい街ランキングを確認できます。
いま住んでいる街や住みたい街の情報をチェックして、引越しに役立てよう!
北海道・東北 | |
---|---|
関東 | |
北陸・甲信越 | |
中部 | |
関西 | |
中国 | |
四国 | |
九州・沖縄 |