防犯にも役立つ! 学生でもお隣への挨拶が必要な理由って?|引越し見積もり・比較【SUUMO】

防犯にも役立つ! 学生でもお隣への挨拶が必要な理由って?


公開日  2016年12月29日

初めてのひとり暮らしをする学生にとって、引越しマナーで分からないことは多いもの。マンションやアパートに入居したときに気になるのが、お隣さんへのご挨拶。最近では何もしない人も多いようですが、挨拶をする場合は誰に、どんなふうにするべきなのでしょうか? 日本防犯学校学長・防犯ジャーナリストの梅本正行さんにお話をうかがいしました。

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引越しの「挨拶」、実は必須だった!?

――入居時の挨拶は必要でしょうか?
「特に若い人などは挨拶を避ける傾向にありますが、ぜひ行っていただきたいです。引越し当日が難しければ、翌日でもOK。相手が留守の場合は日を改めて数日中に行くのがよいでしょう。
挨拶の目的は『自己紹介しに行くこと』ではなく、『どんな人が住んでいるかを知ること』にあります。隣の人が男性か、女性か、年齢はいくつぐらい……と、把握しておくだけでも十分です。挨拶に行ったときの相手の対応が悪かったり、ちょっと怪しいなという雰囲気を感じたりと気になることがあったなら、少し気をつけて過ごすようになれます。隣に誰が住んでいるかも分からない……という状況よりも、警戒心が変わると思います。それ以降は通路などですれ違ったときに『こんにちは』と軽く声をかければ十分です」

また、両隣だけでなく上下階への挨拶は必須だそう。アパートなどでは上の階と下の階で騒音トラブルが起こりがち。特に友人が遊びに来て、つい騒いでしまった……ということもあるかもしれません。そうした点からも、両隣と上下階の人にはひと声かけた方がよいそうです。

「挨拶もせずに騒音で迷惑をかけるのと、はじめに『うるさくてご迷惑おかけするかもしれませんが……』と声をかけておくのでは、受ける印象が全然違います。もちろん、迷惑をかけないのが一番ですよ」

なんとなく「一人暮らしは挨拶をしないもの」と思っていた人には意外かもしれませんが、近隣への引越し挨拶はしたほうがよいとのこと。共用スペースで偶然会っても、誰か分からないと挨拶もしにくいもの。最初の挨拶が肝心ですね。

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防犯面でもメリットあり! 挨拶は積極的に

――挨拶に行くのは、両隣だけで大丈夫でしょうか?
「両隣と、自分の部屋の上下に住んでいる人のところにも必ず行きましょう。
上下階の部屋は何かと関わりがある部屋です。窃盗や性犯罪の手口として、突然チャイムを鳴らして『上の階の者ですけど、おたくのベランダにものを落としてしまって……』とか、『下の階の者ですけど、おたくから水漏れしているようなのですが……』と、住人になりすましてドアを開けさせようとするやり方があります。ですから、上の階と下の階の人の顔は覚えておいたほうがいいでしょう」

――挨拶に行っていないと、知らない人が訪ねてきて『上の階の……』と言われても嘘と見抜けませんが、一度でも顔を見たことがあれば、すぐに違う人だと気づけますね。ちなみに女性の場合、挨拶の際に何か注意することはありますか?
「女性の場合は、ひとり暮らしだと周囲に悟らせないことが基本です。通常、マンションやアパートにはいろいろな人が住んでいます。女性が一人で挨拶に行くと“女性のひとり暮らしだ”ということが相手に分かってしまうので、できれば複数人で行くのがよいでしょう。ご両親やきょうだい、友人でもいいですし、極力男性と一緒に行くことをおすすめします。男性が身近な家族や友人の中にいることを知らせたり、男性が出入りしている様子が分かれば犯罪の抑止力になります」

――いつも一人で行動しているよりも、友人や家族の姿を見せておくんですね。ほかに、学生の引越しで注意点などはありますか?
「男性も女性も、物件選びをご両親と一緒にするのが安心です。親と一緒に行くのはなんだか照れくさいかもしれませんが、親は大事な子どものために、いい物件を探そうと一生懸命になってくれるはず。若い学生は部屋がきれいか、家賃が安いかという点にばかり目が行きがちですが、親がひとり暮らし経験者であれば、“大人の目”からも物件を見て、そこが安全なところかどうか判断をしやすいと思います。過保護だと思われるかもしれませんが、今の時代何が起きるか分かりません。防犯のためにやれることは積極的にやっておきましょう」

これからひとり暮らしをするとは言っても、親にとっては大切な子ども。両親も、子どもと一緒に物件を選べば、「わが子がどんな部屋に住むのか」をしっかりと見ることができて、安心できるかもしれませんね。

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大家さんやおまわりさんなど、入居者以外にも挨拶を

――大家さんへの挨拶は必要ですか?
「大家さんが同じ建物やすぐ近くにいる場合は、ご両親と一緒に挨拶に行くべきでしょう。部屋を借りるお礼と、何かトラブルがあったときにお世話になるはずなので、その意味も込めてきちんと挨拶をするのがマナーです。
大家さんは部屋の本来の持ち主ともいうべきで、部屋を借りている人の留守中に部屋で火事や事件があれば現場の確認もする必要があります。普段はたまに顔を合わせる程度かもしれませんが、鍵の交換や設備トラブルなど、いざというときには大家さんに相談すべきことも多いんですよ」

――大家さんというと少し緊張してしまいます……。
「大家さんも人間ですから、きちんとした人には親切にしてくれるはず。そのためにも、引越してきたときに両親と一緒に挨拶に行ったほうがいいでしょう。そのときに大家さんと仲良くなれれば、何かあったときにより協力的になってくれるはずです。逆に、挨拶がなかったり、失礼な態度だったりすると、大家さんに悪いイメージがインプットされてしまうことにもなります」

――ほかに挨拶に行ったほうがいいところはありますか?
「あまり知られていませんが、最寄りの交番に挨拶に行くこと。これはぜひやってほしいですね。大家さんもそうですが、交番のおまわりさんも何かあったときにお世話になるかもしれません。引越しをしたら、これもご両親と一緒に『今度ここに引越してきました、何かあったらよろしくお願いします』と住所を書いたメモを渡して、住み始めてからは、用事がなくてもたまに前を通りかかって『こんにちは』と挨拶をする。おまわりさんに顔を覚えてもらっていれば、いざというときにとても心強いですからね」

――交番にも挨拶となると、少しやりすぎのような気もするのですが……。
「そうかもしれませんね。ですが、犯罪被害に遭わないためには、細心の注意をはらうことが大切です。やりすぎと感じるぐらいでちょうどいいんですよ。『自分は大丈夫』『このあたりは治安がいいから大丈夫』と考えている人ほど被害に遭いやすくなります。常に『安全のためにまだできることはないか?』と考えておく必要があるんです。そうやって自分自身の防犯意識を高めることが、一番の防犯になりますよ」

――確かに、自分自身を守るためにはまず自分がしっかりと周りを見て、意識しておくことが大切なんですね。家の近くに顔を知っている人がいれば、少し安心かもしれません。
「もちろん、引越し時の挨拶は防犯のためだけではなく、毎日を気持ちよく過ごすためにも必要です。もし入居時の挨拶に行かず、翌日お隣さんとばったり会ったら『この人、うちに挨拶に来てないな』と思われて気まずい雰囲気になるかもしれませんよね。かといって、無理に話をしたり、話題を探す必要はありません。相手の顔をきちんと見て『おはようございます』『こんにちは』と言うだけで大丈夫。『感じのいい人だな』と思ってもらえたら、何かあったときにも協力しあえますよね。挨拶はその最初の一歩。ここでつまずかないように、きちんとご近所へ挨拶に行きましょう」

ひとり暮らしだとおろそかにしてしまいがちなのが「ご近所との付き合い」。でも、近くに住む人の顔を知り、挨拶をかわすことが防犯にもつながります。引越し先では、ぜひしっかりと挨拶をしたいものですね。


●取材協力
日本防犯学校学長・防犯ジャーナリスト 梅本正行

掲載:2016年12月29日
写真:PIXTA

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