引越し前に考えるのがポイント! 新居での「家具配置のコツ」
最終更新日 2020年07月07日
部屋のどこに何を置くかで、家の中の雰囲気や使い勝手も変わってくるもの。引越して落ち着いた時期にきちんと家具の配置を考えよう、と思ってもなかなか動かすのは大変です。引越しで荷物を積み込んだときにある程度配置を考えておければスムーズですよね。住空間収納プランナーの渡辺美恵子さんに家具配置のコツをうかがいました。
普段の行動をシミュレーションする
これまで住んでいた家の家具の配置に対して、なんとなく使いにくいと思いながらも、そのままにしていた人も少なくないのでは。引越しは新たに配置やインテリアを見直せるチャンスです。そこで、イチから自分が使いやすい配置を考えてみましょう。
配置を考える際にまずやるべきことは、引越し前に自分の生活をシミュレーションしてみること。どの部屋をどう使うか決まってきます。すると、その部屋に置くべき家具がわかるので、まずは部屋の使い方を明確にしましょう。
「朝起きてから寝るまでの間、どのように過ごしているのか自分の行動を振り返ってみてください。まず起きたら最初に洗面所で顔を洗い、その後にキッチンに行ってごはんの準備をしてリビングで食べ、寝室に戻って着替えて出かける、と実際の行動の順番を思い浮かべて書き出します。
例えば、3階建ての家だとすれば、朝起きて3階の寝室から1階に降りて顔を洗い、また3階まで戻って身支度をして、1階で食事を取る……なんてことになったら面倒ですよね。この場合、洋服ダンスを1階に配置できれば、何度も同じ場所を行ったり来たりすることがなくなります。効率よく時間にゆとりをもった生活を送るためにも、家具の配置は重要です。これまで気づかなかったけど、改めて思い返してみれば家具の配置が悪かったということもありますから」(渡辺さん、以下同)
家具を配置するときに、使い勝手がいいかどうかというのは欠かせない条件ですよね。適切な配置をするには、まずは自分が生活するときの行動を振り返ってみることが大切です。また、部屋を片付けられない人やモノが散らかってしまう人は、行動パターンとモノの配置が合っていないからだそう。
収納する場所が離れてしまうと、モノが散らかる原因に……。整理整頓された家は、モノを使う場所の近くに収納があります。快適な暮らしを送るためにも、まずは自分の行動パターンを考えて、“片づけやすい家”にすることが重要です。
家具をリストアップして間取図を準備する
次に、自分の生活パターンをふまえて、次の手順で具体的に配置を考えていきます。
1、 引越し先の部屋の間取図を用意
2、 新居に持っていく家具をリストアップ
3、 ピックアップした家具の幅や奥行きを計測
4、 そのサイズに合わせて、方眼紙などを間取図と同じ縮尺で切り取る
5、 パズルのように組み合わせたり、並べ替えたりしながら配置場所を決定
間取図を見ながら自分が生活するときの行動を思い浮かべ、どこに何を置いたら便利なのかを考えてみましょう。
「間取図を見て家具配置を決めるときは、ドアや窓といった開口部の確認を忘れないでください。開口部の前にはモノを置くことはできません。また、押入れなど収納スペースの前にも家具を置くことはできないので、間取図を見てスペースを確保してください」
また、配置場所を考えるには人が動くためのスペースも考えなければいけません。そのうえでポイントは3つあります。
・人が楽に通れる通路を確保しているか
・人がすれ違ってもぶつからないくらいのスペースがあるか
・椅子や引き出しを引いたときのスペースはどれくらい使うのか
ここでも想像力を働かせて、家具を設置する場所を考えることが大切です。
これだけはおさえていきたい! 色使いの基本
設置場所を考える際に、できればインテリアや部屋のバランスも意識したいですよね。雑誌やテレビに出てくるような、レイアウトの整った部屋には憧れるものです。しかし、実際に同じようにしようと思っても、どうしても生活感が出てしまったり家具の雰囲気を統一するのが難しいですよね。
インテリアの基本は、部屋全体のテイストや基調にする色合いを決めること。家具やカーテンなど、部屋の中で主張するアイテムの色は同系統でまとめると、部屋に統一感が生まれすっきりとした印象になります。色使いまで意識することで、部屋が広く見えて家具の配置が整っているように感じられます。
ベースになる色合いは、フローリングの色とそろえると○。これまで寝室で使っていたものをリビングに配置したいと思っている場合は注意が必要です。色合いによっては、実際に配置してみるとちぐはぐな印象を受けてしまうことにも。間取図を使ってレイアウトを考えるときに、家具の縮尺をした用紙に色を塗っておくのも手です。
部屋を広く見せるためのプラスのテクニックも
さらに、色使いだけでなく家具の配置する場所によっても部屋を広く見せることができます。
「目線の先をすっきりさせることが、部屋全体を広く見せるためのポイントです。目の前に家具を置いたりするのはNGです。例えば、ドアを開けてすぐ大きな本棚があると、圧迫感があって部屋全体が狭く見えてしまいますよね。大きな家具はできるだけはじに寄せたり工夫をしましょう。視線が抜ける場所をつくることによって部屋が広く感じるだけでなく、落ち着いた雰囲気がつくれます」
また、家具を1カ所にかためて置くのも効果的だそう。家具が部屋全体に配置してあると、どことなく狭く感じられます。引き出しや本棚は片面の壁に寄せて、反対側は空けておくなど工夫するといいでしょう。家具をできるだけ1カ所に集中させて、オープンなスペースをつくると部屋が広く見えます。
「また、家具の並べ方によっても、部屋の印象は変わってきます。家具の高さがチグハグな場合は、背の高い家具を入り口の手前に持ってくるといいです。部屋の奥に行くほど家具の高さが低くなるように配置すると、部屋が広く見えます」
あくまでも家具を配置する際のベースとなるのは、普段生活するうえでの生活動線です。使い勝手のよさを意識したうえで、インテリアなどの工夫をしてみるといいかもしれませんね。
引越してからも配置を見直すことが大切
生活習慣が変化すれば、使いやすい家具の位置も変わってきます。つまり快適な生活を送るためには、引越しのタイミングだけでなく、その都度見直していくのが大切なのだとか。
「例えば、お子さんが小学校低学年だったら、勉強机をリビングダイニングに置いて、両親の目が届くようにしていたとします。しかし、お子さんが成長していくと状況も変わりますよね。家族の成長やライフステージに合わせて家具配置を変えていくことで、さらに過ごしやすい暮らしになるのではないでしょうか」
引越し先での家具の配置は、引越し前から考えておくことがポイントです。あらかじめ配置する場所を決めておけば、搬入作業もスムーズになります。引越し後に家具の配置を見直す際にも、ぜひ普段の生活をイメージしながらシミュレーションしてみてくださいね。
●取材協力
住空間収納プランナー/渡辺美恵子
掲載:2017年1月14日
写真:PIXTA
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