割れ物・壊れやすい物を上手く包むには? プロの引越し業者がアドバイス!
引越し先の新居へ到着し、荷ほどきをしていたら、段ボール箱の中から欠けたお皿や割れたグラスが出てきた……。そんな悲しい失敗をしてしまったことはありませんか? せっかくの新生活なのに、お気に入りの食器や小物が壊れてしまったら、引越し早々暗い気持ちでスタートを切ることになってしまいます。そこで今回は、「ハート引越センター」「クロネコヤマトの引越サービス」の2社に割れやすい物・壊れやすい物の梱包術をお聞きしました。上手に梱包して、運搬中の欠損を防ぎましょう!

どうすれば割れない? ガラスのコップやお皿など、デリケートな物の包み方
「ガラスや陶器など、壊れやすいご家財の欠損を防ぐためには、ダンボール箱内での接地面(箱と荷物が触れ合っている面積)を多くすることが基本的なポイント。接地面が少ないと、箱が何かにぶつかったときの衝撃が少ない面積にダイレクトに伝わってしまいます。また、箱の中に隙間があると中で荷物同士が動いてぶつかり合います。これらが欠損の大きな原因になります」(ハート引越センター)
反対に、荷物同士の接地面が多ければ、その接地面の面積の分だけ広い範囲に衝撃を逃がしてくれるので、割れづらくなり安全に輸送することができる、ということですね。
接地面を増やすためには、例えばどんな方法があるのでしょうか?
・同じような形のお皿を並べる
・隙間があるのであればその隙間に緩衝材を入れる
・下に向かってすぼんだ形のグラスは互い違いに詰める
などの方法があります。
グラスやコップなどは、同じ形のものが複数あれば互い違いに詰めてもよいですが、形にバラつきがある場合には無理に互い違いに詰めずに、ひっくり返した状態(飲み口が下にある状態)で詰めるとよいそうです。もちろん、ていねいに包むことはお忘れなく!
また、コップの持ち手やグラスの足の部分などは特に繊細で壊れやすいので、新聞紙やチラシ、エアパッキン(プチプチ)などの緩衝材を巻きつけ、念入りに欠損対策をしたほうがいいとのことでした。
同じものが何枚もあるようなお皿などは、ついつい上下に重ねて詰めてしまいがちですが、実は何枚も重ねると下の方のお皿に重さがかかってしまい、割れやすくなってしまうのだとか。きちんと包み、立てた状態で並べて梱包するのが上手な詰め方です。
ちなみに、調味料などの入ったガラス製の瓶などももちろん割れ物なので、しっかりと包みましょう。ふたが緩んでしまったり、中身が漏れ出すのを防ぐためにも、立てた状態で詰めるのがよいそうです。

箱を軽くゆすって“カチャカチャ音”がしないかチェック
先ほどの”接地面を増やす”詰め方をすると、箱の中身は見た目もきれいに、整って見えます。一見すると「これでOK!」な気もしますが、見た目では分からない危険が潜んでいることも。欠損対策が十分かを確認したい場合は、荷物を詰めた状態で段ボール箱を持ち上げて、軽くゆすってみてください。
「このときに何も音がしなければOKですが、もしも『カチャカチャ』というガラスなどの触れ合う音が聞こえてきたら危険な状態。段ボール箱の中に隙間があったり、保護が不十分なために荷物同士がぶつかり合っているサインです。そのままで運ぶと割れてしまう危険があるので、音が鳴らなくなるよう、隙間に緩衝材を詰めるなどして対策を取りましょう」(クロネコヤマトの引越サービス)
緩衝材に使うのはエアパッキンが理想的ですが、すぐに用意ができない場合は新聞紙やいらないタオルなどでもOK。引越し業者によっては、見積もり後に梱包用の段ボール箱と一緒に緩衝材を渡してくれるところもあるので、こうしたサービスを活用して上手に梱包しましょう。普段から、通信販売で届いた荷物などに入っているエアパッキンを保存しているという人は、ここが使いどき! しっかりと梱包して安全性をアップさせましょう。

本当に大事なものは「注意書きをする」or「自分で運ぶ」
壊れやすい荷物は、どんなに事前に対策をしても輸送時に壊れてしまうことがあります。ですから、どうしても安全に運びたいもの、壊したくないものは、見積もりの段階で引越し業者にその旨を伝え、梱包した段ボールには「ワレモノ」の注意書きを。さらに当日荷物を運び出す際に、スタッフさんに「壊れやすい物なので気を付けて運んでください」「大事な物なので丁寧に運んでください」と一言伝えるなど、念入りに注意喚起をすることも大切です。
ハート引越センターによれば、「『絶対に大丈夫』という保証はできませんが、事前にご申告いただければ、トラックへ積み込む際に可能な限り安全なところに置き、運搬時にも気を使うようにしていますよ」とのこと。
また、箱の封をする際に、普通のガムテープではなく色の付いたテープを使用し、壊れやすい物が入っていることをひと目で確認できるようにしておくのもおすすめです。
それでも不安だという人は、思い切って自分で新居に運ぶというのも良い方法。「重ねた荷物の重みで壊れたらどうしよう」「丁寧に運んでもらえていなかったらどうしよう」なんて心配をすることもなくなり、自分自身の手で気を配りながら運べます。運搬中のことはどうしても予測できないもの。思い切って自分の手元に置いておくのも、ひとつの手段といえそうです。

引越し業者の荷造りサービス活用も検討する
多くの引越し業者が提供している、荷造りサービスの活用を検討してみるのもいいでしょう。多くの場合はオプションメニューとして設定されているため、費用は多少アップしますが、プロの仕事で安心・安全に荷物の梱包から運搬まで任せることができます。
引越し直前まで忙しく、荷造りする時間がないという人にもおすすめです。引越し業者は壊れやすい物の梱包にも慣れているプロなので、「自分の梱包や詰め方で大丈夫か自信がもてない」という人はお願いしてもよさそうです。さらに、引越し業者では食器などの梱包に専用のボックスを用意しているところも多いので、より安全性が増すのもメリットといえそうです。
荷物の運搬作業は引越し業者ではないと難しいですが、梱包作業は自分でできることなので、引越し費用を安く抑えるためにも自分で梱包しよう! という人も多いはず。ですが、梱包作業にはどうしても時間がかかりますし、きちんとコツをおさえた梱包をしなければ、荷物の欠損にもつながります。多少費用がかかっても、手間の短縮と”安心・安全”にお金をかけると考えれば、こうしたサービスを活用する価値はあるのではないでしょうか。
自分で梱包する場合はきちんと欠損対策をし、難しい場合や、どうしても壊したくない物などは自分で運ぶか、プロの技術で梱包してもらうことも検討してみるのがおすすめ。自分の納得できる方法で、荷物運搬の際の不安・不満を減らしましょう。
取材協力
クロネコヤマトの引越サービス http://www.008008.jp/
ハート引越センター http://www.hikkoshi8100.com/
掲載:2017年2月16日
写真:PIXTA
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