引っ越し会社選びのコツとポイントは?選び始める時期、サービス内容のチェックの仕方、注意点をプロが解説
近年は、インターネットで複数の引越し会社に一括で見積もり依頼ができるようになった。便利な反面、選択肢が増えるあまり、いったいどんな基準で引越し会社を決めたらよいのか迷ってしまうことも……。 そこで、「不動産サポートオフィス」代表コンサルタントで「賃貸生活A to Z」の著者・秋津智幸さんに、引越し会社選びのコツやポイントについてお話を伺った。

引越し会社を選び始める時期
そもそも、引越し会社選びはどのくらい前から始めればよいのだろうか?
「賃貸住宅の場合、通常1カ月前までに貸主へ退去予告をする契約がほとんどです。まず新たな物件が見つかっていることが大前提になりますが、引越しを決めたらできるだけ早く引越し会社に見積もりを依頼しましょう」
引越し作業に必要な期間から逆算すると、引越し会社選びを始める時期が自ずと決まってくるという。
「目安としては、引越し予定日前の2週間前に引越し会社から梱包資材などを送ってもらい、予定日前1週間で荷造りを行うのが一般的です。さらに、引越し会社の訪問見積もり日も必要なので、引越し予定日の1カ月前から3週間前には見積もり依頼をしておくとよいでしょう」
ただし、上記の目安は引越しシーズン以外のケース。引越し時期のピークにあたる2~4月なら、さらにプラス2週間~1カ月前には動き始めたい。引越し会社のトラックの台数には限りがあり、この時期は早くから予約が埋まりやすいからだ。

引越し会社の選び方は?
では、引越しが決まった後の具体的な流れを見ていこう。
「まず、複数の会社への見積もり依頼から始めましょう。手間が少ないインターネットの一括見積もりサイトがオススメです。見積もりを依頼すると、各社から見積もり金額の連絡メールが届きます」
秋津さんによれば、見積もり金額の連絡メールだけでも、引越し会社を選ぶポイントがあるという。いったいどんなところを比較しているのだろうか?
「引越し会社選びの最初のポイントは、レスポンスの早さと文面。見積もりサイトは、10社前後へ一括で依頼することができます。自動返信も含め、ほぼ同時に連絡が来た場合に重要なのが、見積もり結果メールの文面です。初めての顧客への連絡となる対応が早く、きちんとした内容かどうか。連絡がなかなか来なかったり、備考欄で質問したことに対して答えがなかったりする会社は、サービスの質が低いと判断して候補から外します」と秋津さんは話す。

各引越し会社のサービス内容をチェック
見積もり返信メールから候補が決まったら、次のステップへ。
「続いては、候補の引越し会社のサービス内容をチェックしましょう。この段階では、見積もり金額の安さだけで決めるのは時期尚早。大切なのは『何をどこまでのサービスでいくらなのか』ということ。たとえば、『エアコンの移設サービスが含まれているか』などといった自分が求めるオプションサービスの有無を確認しましょう」
「また、引越し会社には大きく分けて"大手"と"地域密着型"の2種類があります。大まかに言って、営業店のネットワークが各地にある大手はさまざまなエリアへの引越しに慣れているので、どんな地域への引越しにも対応できる可能性が高いと言えます。このような点から、遠方への引越しは、大手の方が安心できるでしょう」
地域密着型のなかには、大手と同じく引越しパック(プラン)やオプションサービスなどが充実している会社も増えている。会社の知名度だけに安心するのではなく、フラットな目線でサービス内容を比較するのが、引越し会社選びのコツといえそうだ。
「サイトを比較した上で、さらに4社ほどに絞り込んでみてください。より具体的な見積もりを出してもらうためには訪問見積もりは必須です。同じ日に時間をずらして訪問してもらう場合、時間の割り振りを考えると4社くらいを上限にして選ぶのがよいでしょう」

見積もり前の準備
「引越し会社選びのポイントは、予算とサービスの比較です。予算が最優先という人は、訪問見積もり前の段階で、運ぶものと捨てるものを分けておくことをオススメします」
まだ見積もり前なのに、そこまでやる必要があるのだろうか?
「訪問見積もり依頼の段階で、引越し会社は運ぶ予定の荷物をカウントします。つまり、事前に余分な荷物を除外しておくことで、トラックのサイズが小さくなって料金が安くなる可能性があるのです。引越し会社選びでは、費用と時間、サービス内容の優先順位をつけることが大切。少しでも引越し料金を下げたい人は、できれば見積もり依頼をする前、遅くても訪問見積もり前までに不要品を分けておきましょう」
事前に不要品を分けておくメリットはこれだけではない。大型の家具・家具などを捨てる場合、不要品回収会社に依頼する人も多いだろう。しかし、引越しのタイミングで引越し会社が引き取ってくれるなら、余計な手配も省けるというもの。訪問見積もりの際に不要品を伝えた上で、その処分費用も含めた見積もりを出してもらうのも一計だろう。

訪問見積もりでのポイント
「訪問見積もりは、引越し会社の担当者が部屋に入ってくることになるので嫌悪感を示す人もいますが、行っておくと安心でしょう。自分のイメージよりも、実際の荷物量が多いと引越しの金額が上がってしまうこともあるからです。金額のブレを防ぐためにも、訪問見積もりは大切な工程。当日のトラブルを防ぐことができます」
引越し会社の営業担当者には、運ぶものと不要品、必要なサービスをあますことなく伝えよう。引越し会社によっては独自のサービスもあるので、自分の求める内容のオプションがあるのかも直接担当者に確認するのがいいだろう。
「訪問見積もりで大切なポイントは、1日ですべての引越し会社に来てもらうということ。営業担当者は、顧客が他社との相見積もりを取ることをわかっています。ですから、契約を決めてもらうために、『今すぐ契約してくれたら、値引きします』という提案を行うことがあります」
引越し会社の営業担当者は、トラックに空きがなくなってしまうかもしれない可能性を考え、顧客に即決を提案してくることもあるそう。たしかに、正規の見積もりより安い金額を提示されたら、他社の見積もりを聞く前でも決めてしまいたくなるが……。
「その台詞に対応できる魔法の言葉があります。それは『今日1日だけ待ってほしい』という一言。引越しのピークシーズンを除いて、引越し会社の保有トラックが1日で埋まってしまうことはほぼありません。この一言を使って、1日ですべての訪問見積もりをこなしましょう」
複数の引越し会社へ見積もり依頼をしていることは、営業担当者へ伝えて問題ない。

引越し会社選びの注意点
各社の見積もり金額が出そろったら、いよいよ引越しを任せる1社を決定することになる。出揃った金額を比較する以外で、どういったポイントを押さえればいいのだろうか?
「繰り返しになりますが、引越し会社は"サービスと予算"で決めることが大切です。金額のみで比較するのはできるだけ避けましょう。オプションサービス以外にも、段ボールやハンガーボックス、ガムテープといった梱包資材がどこまで付帯しているかもしっかりとチェックしてください」
さらに、引越し会社の比較で押さえておきたいポイントは"運び方"だ。
「トラックの容量は、当日の作業の進め方に関わるので要注意です。例えば、4tトラック分の荷物があるときに、引越し会社によって4tトラック1台で運んだり、2tトラックを2台配車したり、1台で往復したりと、荷物の運び方はさまざま。トラックのサイズや作業スタッフの人数で、作業にかかる時間が大きく変わることもあります」
この場合、もちろん4tトラック1台の方が作業効率はよく、短時間で引越しが終わる。一方、トラックを2台に分けて作業員を1人減らしたり、近距離なら1台で往復したりすると、時間はかかるが引越し料金は安くなるケースも。また、同じ引越日でも、引越し会社に作業の開始時間を任せることで料金を抑えることができるだろう。
スムーズに早く終わらせたいのか、それとも多少時間がかかっても安くしたいのか、さらにオプションサービスをどこまで求めるのか。こういった点が、引越し会社を選ぶポイントになってくるのだ。サービスと料金を天秤に取りながら、自分に合った引越し会社やサービスを見つけてみよう。
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