入居後のトラブルを防ぐためにも知っておきたい 引越し先の物件契約~入居までの流れ
公開日 2017年03月29日
この春から新生活を始められる方も多くいることでしょう。でもいざ引越そうと思っても、どのようなことをすべきなのかが分からないという方もいるかもしれません。今回は、入居する物件を見つけてから実際に入居するまでの流れをご紹介します。契約の際の確認事項や、入居後にやっておきたいことなどを参考にして新生活の準備を始めてみましょう。

入居までの流れとは?
住みたい物件が見つかり、入居するまでの手続きの流れを見ていきましょう。
(1)入居申込書の提出
気に入った物件が見つかったら早速申込手続きが必要になります。不動産会社によって必要書類は異なりますが、入居申込書を提出することが一般的です。入居申込書には、「入居希望者の住所、氏名、連絡先、勤務先、年収、勤続年数」と「連帯保証人の住所、氏名、連絡先、勤務先」などを記入することが多くなっています。
申し込みをした後でも、契約が成立するまでは撤回は可能です。最終的に契約となるのは、契約書を締結した時点と考えるのが一般的なのです。ただ、不動産会社や貸主にとってみればやみくもに申し込みだけされるのは困るもの。申し込みをする前にさまざまな条件を確認し、極力撤回をすることがないように注意するのが望ましいといえます。
(2)入居審査
貸主が一番気になるのは、入居者の家賃の支払いが滞らないかという点ですよね。そのため、入居する際に借主の収入や勤続年数などを審査します。これが「入居審査」と言われる手続きです。このとき、連帯保証人が同時に審査されることも多くなっています。
(3)契約手続き
入居審査が済んだら、契約手続きに入ります。重要事項説明を受け、条件を確認しながら、双方の都合にあわせて条件を調整し契約書をつくります。契約内容に特に問題がなければ初期費用を払い、手続き完了となります。一般的に、入居審査後1週間~10日程度で契約を結ぶことが多いようです。

入居申し込みの際に「申込金が必要」と言われたらどうする?
入居を申し込んだ際に不動産会社から「申込金が必要です」と言われたことがある人もいるかもしれません。一体、この申込金とはどんなものなのでしょうか。申込金を要求された場合の注意点を確認しましょう。
申込金とは、「ほかに申し込みがあった場合、優先的に入居審査をしてもらう」などの目的で、不動産会社などに支払うもの。金額は不動産会社によって異なります。ただ、相場は家賃の1カ月分程度になっているため、それを超える金額を提示された場合は不当ではないか詳細をチェックするようにしましょう。
また、申込金を支払ったからといって、必ずしも契約が結ばれるというわけではありません。このときに「申し込みを撤回しても申込金が返還されない」などのトラブルが起こるケースが存在します。不動産会社が申込金などの預かり金の返還を拒否することは法律上禁止されています。返還が行われないなどのトラブルがあった場合は自治体の相談窓口などに相談するようにしてくださいね。

契約手続きの際に確認しておきたいポイント
ここまで、入居物件が決まってから契約手続きまでの流れなどについて説明してきました。手続きの流れを知ったうえで、契約手続きの際に確認するべきポイントをおさえておくことが大切です。一つずつ見ていきましょう。
(1)契約期間と更新の定め
物件の契約期間と契約の更新手続き、更新料の有無の確認が必要です。更新料が必要な場合は、金額や支払い条件なども見ておきましょう。
(2)賃料や管理費(共益費)の額、支払い、滞納時のルールなど
賃料や、管理費(共益費)の額を確認しましょう。滞納時に延滞金が必要な場合もあるので注意して見ておきましょう。
(3)敷金や原状回復の範囲と内容について
敷金の金額と退去時の返還に関する具体的な手続きなどを確認します。敷金は、入居している間に賃料の滞納や補修費用が発生しなければ、退去時に返還されます。退去時に補修費用がかかる場合には敷金から支払われます。退去時の原状回復費用との精算をめぐるトラブルは多いので、原状回復に関する取り決めも含めてしっかりと確認しましょう。
(4)禁止事項
住む際の禁止事項として、ペットの飼育や楽器演奏、石油ストーブの使用、勝手に他人を同居させること、無断で長期不在にすること、危険物の持ち込みなどが物件ごとに決められています。違反すると、退去を求められることもあるので注意しましょう。
(5)修繕
一般的には、通常の物件の使用に必要な修繕は貸主が行うこととなっていますが、借主の故意や過失によって必要となった修繕は、借主が行うこととなるので事前に把握しておきたいところです。
(6)契約の解除
賃料などを滞納したり、借主が禁止事項に違反したりしている場合は契約解除となる可能性があります。契約解除にならないよう、十分に確認する必要があります。また貸主側から解約を申し出る場合の解約通知の期日や具体的な手続きも記載されています。
そのほか特記事項として、借主に不利な条項が記載されている恐れもありますので、確認する必要があります。後になって「そんな約束はしていない」と言われないよう、もし口頭などで契約に関する約束事をした場合は、契約書に記載してもらうようにしましょう。

入居から1週間以内にやっておきたいこと
契約手続きが完了し、無事入居したらほっと一安心ですよね。ただ、入居してすぐにチェックしておくべきポイントが存在します。入居後すぐに室内の現況を確認し、記録を残しておくことが重要なのです。
どうして室内の状況確認と記録をするのかというと、住居の損耗や損傷が入居時からあったものかどうかといった事実確認が必要だからです。きちんと記録として残しておくことによって、退去するときの修繕費用をめぐってのトラブルを防ぐことができます。
【チェックするべき場所】
・壁や床、窓ガラス、網戸等の汚れや傷
・給水設備、エアコン、シャワー、コンロ等の動作状況
【チェックする際のポイント】
・汚れの状況等を書いておく
※日付が記録できる写真等をとっておくとより安心です
エアコンや給水器などもともと設置されていた設備については、もし壊れてしまったとしても元の状態に戻す義務は貸主にあります。入居後に不具合が見つかった場合は、すぐに貸主に連絡をするようにしましょう。
今回は、入居までのおおまかな流れをご紹介しました。入居までの手続きは不動産会社や大家さんによって異なります。細かい注意点や提出すべき書類の種類は必ず先方に確認するようにしましょう。余裕をもって準備を行い、楽しい新生活を始められるようにしたいですね。
取材協力
公益社団法人全日本不動産協会「申込手続きの流れ」
https://www.zennichi.or.jp/public/knowledge/rental/7-1/
公益社団法人全日本不動産協会「賃貸借契約のチェックポイント」
https://www.zennichi.or.jp/public/knowledge/rental/8-2/
公益社団法人全日本不動産協会「申込金を要求された場合の注意点」
https://www.zennichi.or.jp/public/knowledge/rental/7-2/
公益社団法人全日本不動産協会「入居後1週間以内にやっておきたいこと」
http://www.zennichi.or.jp/public/knowledge/rental/9-1/#point1
不動産ジャパンWebサイト「入居後1週間以内にやっておきたいこと」
http://www.fudousan.or.jp/kiso/rent/images/pdf/9_1_list.pdf
掲載:2017年3月29日
写真:PIXTA
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