引越し時、運搬中の事故で荷物が破損!補償はしてもらえる?|引越し見積もり・比較【SUUMO】

引越し時、運搬中の事故で荷物が破損!補償はしてもらえる?


公開日  2017年06月23日

引越し業者に依頼して引越しをする場合、思わぬ事故で荷物が破損したり、紛失してしまうこともあります。そうした場合、荷物はどの程度補償してもらえるのでしょうか? また、依頼主側で損害を防ぐ方法はないのでしょうか? 運送業者の保険商品も取り扱う「東京海上日動火災保険株式会社」に、事故などによる貨物の破損にかかわる補償方法についてお話を聞きました。

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運送業者が加入する保険がある

保険といえば、生じるリスクに対してかけるもの。引越しをする際には、依頼主が加入しないといけないの? と思われるかもしれませんが、実は運送を請け負う引越し業者は、お客様の大切な荷物を守るために保険に加入しています。その名も「運送業者貨物賠償責任保険」。これは引越し業者などの運送業者が加入し、貨物の輸送中に起こった事故などについての補償を受けられる保険で、もしも事故が起こってしまった場合には、依頼主はこの補償範囲で荷物の補償を受けることができるというものです。多くの場合、補償の限度額は1000万円となっています。
・加入に条件はある?
「運送事業免許を有する運送業者(=緑ナンバーの輸送用具で事業を行っている事業者)」が加入の対象となっています。
事業内容や取り扱う荷物が条件とし挙げられていますが、会社の規模などに条件はないそう。ほとんどの引越し業者がこの保険に加入していますが、念のために確認してみましょう。

・どんな事故の場合に補償される?
東京海上日動で扱っている運送業者貨物賠償責任保険には、大きく分けて2種の補償内容があります。
【A種/限定危険担保】
火災や爆発、輸送用具(トラックなど)の衝突・転覆・脱線・墜落・不時着・沈没・座礁・座州によって生じた損害および盗難、荷物の紛失による貨物の賠償責任

【B種/オールリスク担保】
「補償されない主な場合」を除く全ての偶然な事故による貨物の賠償責任

例えば、荒天や災害によって荷物が水にぬれたり、荷崩れなどの事故によって荷物が破損したりといった損害も補償したい場合は、B種/オールリスク担保で契約することが必要ということになります。

・家への損害は補償されない?
上記のA種、B種の補償内容は「貨物」についてのみ補償がなされていますが、引越し時のトラブルというと家財への損害と並んで気になるのが「新居」への損害。壁に家具をぶつけたり、床に傷がついてしまったり……と、搬入中に事故が起きないとも限りません。こうした場合には補償はないのでしょうか? 東京海上日動によると、「基本的にこの保険は『運送中の貨物』がこうむる損害についての保険なので、荷物を積み込み、依頼主に届けるまで(引越しの場合であれば搬入作業が完了するまで)の荷物に対する補償を行います。ただし、第三者への賠償責任を補償できる特約もありますので、新居への損害もカバー可能です」とのこと。
もちろん、引越し業者に過失があるなら保険への加入の有無には関係なく、引越し業者に補償の責任が問われます。万が一、新居に傷をつけられてしまった場合は、遠慮せずにしっかりと請求を行うようにしましょう。

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運送業者貨物賠償責任保険が補償できないもの

見積もり時などにも、「引越し運送中の事故は補償します」と営業担当者から説明を受けることが多いですが、補償されない範囲についてもしっかりとチェックしておきたいところ。いざというときに、「その荷物は補償範囲外です」と言われてしまいガッカリ……という事態は避けたいですよね。この保険ではどのようなものが補償制限のある荷物なのでしょうか?

【補償に限度額があるもの】
・貨紙幣・有価証券(金・銀・白金類の地金を含む)…1梱包当たり10万円まで
・貴金属、宝玉および宝石、宝飾品(時計、アクセサリー類を含む)、書画、骨董、彫刻物およびその他の美術品…1個または1組当たり10万円まで

上記は、たとえ10万円を超える金額であっても10万円までの補償。現金や貴重品、美術品は運搬できないとしている引越し業者も多いことから、これらのものを梱包するのは避けましょう。万一の際にも、補償を受けられないことになってしまいます。また、これはあくまで運送業者が保険会社から受けられる補償のこと。引越し業者が「運搬できないので、お客様自身で運んでください」と案内しているものをこっそり梱包していた場合などには、契約違反としてまったく補償を受けられなくなるリスクもあるため、絶対にやめましょう。

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個人が加入できる引越し関連の保険はある?

ここまでは、引越し業者が加入する「運送業者貨物賠償責任保険」について見てきました。災害や事故など、避けられなかった危険によって生じる損害は補償されますが、引越し業者側に過失のない場合などは責任を問うこともできず補償を受けられなかったり、引越し業者と依頼主のどちらの過失なのか判定に時間がかかってしまうケースも。そうした場合には、個人で加入できる「引越荷物運送保険」という保険を利用してみてもよいでしょう。
「引越荷物運送保険は、家財一式を保険の対象にするオールリスク担保型の保険です。引越しの運搬中や搬出・搬入時に発生した損害について補償を受けられ、実際の損害額が補償されます。ただし、時価での補償ですので、新品で購入したときの金額が補償されるということではありません。また、補償されるのは家財のみ。新居への傷などは、引越し業者側の運送業者貨物賠償責任保険か、自宅の火災保険が適用となります」(東京海上日動)

この保険を利用すれば、家財の破損などについてどちらに責任があるかでトラブルになる心配も減らすことができそうですね。保険金額は200万円までの補償で6000円ほど。高価な荷物を運びたい場合などには、検討してみては?
ただし、「引越荷物運送保険」にも補償対象外の荷物が。
この保険でいう『家財一式』には、貨紙幣・有価証券、自動車、動植物などは含まれません。
引越約款で対象外となっている現金や株式などの貴重品は自分で管理し、自動車の輸送なども引越し業者のオプションサービスを利用するのがよさそうですね。

荷物にかける保険については、見積もり時に営業担当者から説明を受けられる場合が多く、利用する場合にはそのまま手配をしてもらえることも。とはいえ、引越し料金に加えて保険料がかかってしまう点は気になりますし、また、ほとんどの場合は引越し業者が加入している保険の範囲内で補償されるので、あまり心配しすぎる必要はなさそうです。

大切な荷物もたくさん運ぶ引越し。あまり考えたくはないですが、不慮の事故や災害によって荷物が破損してしまうということも、ないとは言い切れないというのが本当のところ。そんなときのために、引越し業者もしっかりと保険に加入し、補償をしてくれています。補償の範囲など、気になるポイントについては見積もり時などにしっかりと確認しておきましょう。
新たな地で生活を始め、前向きになれることも多い引越し。事故やトラブルで幸先の悪いスタートになってしまうよりも、きちんと対策をとって気持ちよくスタートしたいですね。

取材協力
東京海上日動火災保険株式会社

掲載:2017年6月23日
写真:PIXTA

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