引越しのとき、照明器具は置いていってもいいの?|引越し見積もり・比較【SUUMO】

引越しのとき、照明器具は置いていってもいいの?


公開日  2017年07月14日

引越しの際、必要のないものは処分して、あとの荷物は全て新居に持っていくことになります。住んでいた部屋に置いていくことはできません。しかし、照明器具やエアコンなどといった住居に取り付けたものの処理は困るもの。引越すときにはどのように対処すればいいのでしょうか。

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退去時は原状回復するのが義務?

賃貸物件を退去するときは、原状回復を行わなければいけません。原状回復とは、長く住むことで自然と価値が減っていく部分以外で、壊したり汚したりしてしまった部分を修復して元に戻すことをいいます。基本的に入居したときに敷金や保証金を払っていれば、その金額内で相殺されます。

原状回復する必要があるのは、床のキズや傷みなどだけでなく、設備についても同じことがいえます。借りた当初から部屋に付いていたものはそのまま置いていき、後から自分で取り付けたものは新居に持っていくことになります。つまり、住んでいる間に取り付けた照明やエアコンなどといった器具は撤去しなければなりません。

しかし、なかには取り外しが難しいケースもあるでしょう。その場合、賃借人は建物に付け加えた造作を、賃貸人に対し契約終了時に買取請求をすることができます。借地借家法33条には、「造作買取請求権」について以下のように書かれています。


【借地借家法33条 造作買取請求権】
「建物の賃貸人の同意を得て建物に付加した畳、建具その他の造作がある場合には、建物の賃借人は、建物の賃貸借が期間の満了又は解約の申入れによって終了するときに、建物の賃貸人に対し、その造作を時価で買い取るべきことを請求することができる。」


賃借人は、賃貸人と比べて法律上において立場が弱くなってしまいがちです。そのため賃借人を保護することを目的としてつくられた法律が「借地借家法」です。民法の賃貸借の定めも、賃借人の権利が強化されています。

借地借家法33条もそのひとつです。借家契約が終了した場合に、賃借人は一定の要件を満たす造作については賃貸人に対して買取請求ができるとあります。賃貸人が買い取る義務があるといえるためには、以下の3つの要件が必要とされています。

(1) 対象が造作であること
(2) その造作が賃貸人の同意を得て付加したものであること
(3) 賃貸借が終了すること

ここで言う「造作」とは、電気・水道施設などの取り外しができないもののことです。取り外しが可能なものは造作には該当しません。取り外すことが面倒なものでも、不可能ではない限り基本的に撤去しなければなりません。

つまり、照明器具やエアコンなどといったものは、きちんと取り外して撤去してから退去することになります。

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照明器具の取り外し方

引越し業者に依頼し、引越し作業をしてもらう場合は照明器具の取り外しなども行ってくれるケースが多いものです。高い位置にあるものや、シャンデリアなど構造が複雑なものは業者に依頼したほうが安心です。見積もりを出す際に、照明の取り外しを行うことができるのかどうか確認しましょう。

とはいえ、自力で取り外しができそうなものは梱包する必要があります。自分で作業する場合、どのようにするのか以下のポイントを参考にしてください。


・電球は外す
・大きいものはパーツを分解する
・クッション材や新聞紙など緩衝材で丁寧にくるむ
・スタンドの照明・ライトの足元が弱いため、とくにライトの部分が重いものは、しっかりと梱包を
・照明のカサは、カサ部分を取り外し、エアキャップで包んで段ボールに入れる


照明器具は、ワレモノのため扱いが非常にデリケートなものです。いずれのパーツも破損する可能性があるため、梱包はしっかりと丁寧にしておく必要があります。照明器具をそのまま梱包すると衝撃に弱いため、できる限りパーツを分解して小分けにした状態で梱包を行いましょう。

この際、一つ一つのパーツを新聞紙や緩衝材などを使って包み、ほかのパーツと触れることがないように気をつけましょう。箱内部にも新聞紙や緩衝材などを詰めて、運んでいる最中に動かないようにしておくこと。

また、新居に運んでいる途中で破損してしまうことがないように、照明器具が入った段ボール箱にはきちんと明記しておくことも重要です。中身が分かるように、段ボールのふたを開けておくのも○。

なかには引越し業者の作業の範疇を超えた複雑な設備がされているものも。ワンタッチ(引掛シーリング)タイプ以外の照明器具ならば、専門家による取り外し工事が必要となる場合があります。引越し作業を依頼する業者とは別に専門業者の手配をしなければならないため、引越しが決まったら優先して取りかかるようにしたいですね。

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エアコンの取り外し方

照明器具と同様、エアコンも「造作」には当たらないため退去時に撤去作業を行わなければいけません。新居には備え付けのエアコンがある場合は処分する必要が出てくるでしょう。多くの引越し業者には、エアコン工事のサービスが存在します。エアコンの取り外しと取り付けを基本料金として設定されています。エアコン工事には以下の作業が発生します。

<エアコンの取り外し作業>
・室外機にガスを集めて栓をする
・エアコンの室内機、室外機を取り外す
・配管類を取り外す
・配管穴のパテ埋めを行う

<エアコンの取り付け作業>
・室内機を取り付ける場所を確かめ、室内機を取り付ける
・配管類を取り付ける
・エアコンの室外機を設置
・室内外機の接続部の接続
・ポンプで配管の中を真空乾燥させる

これらを自力で行うことは困難のため、自分で取り付けたエアコンは業者に依頼して取り外してもらうことになります。エアコンの引越し作業には、配管類や部材類は既存のものを使用し、配管の延長や部材の交換が必要な場合には追加料金が発生することが多いです。各社の料金を比較するときは、基本料金だけを見るのではなく、オプションで必要になる作業を考えて検討するようにしましょう。

エアコンの設置は、トラブルを避けるためにもしっかりと下準備をして調べることが肝心です。また、場合によってはエアコンを買い替えたほうが安く済むこともありえます。壊れる可能性がある古いタイプのものなどは買い替えたほうが結果としてトクかもしれません。安易に業者にそのままお願いするのではなく、自分に合った方法を考えて選ぶようにしたいですね。


基本的に賃貸物件では、借りたときの元の状態に戻す必要があります。どうしても置いていかなければならないものがあれば、貸主の大家さんや不動産会社に相談するのが無難です。退去後はリフォームして取り壊すなど、場合によっては置いていくことができるケースもあるよう。

また、引越しが多い人などは、最初から次の引越しを視野に入れてあまり取り外しが難しいものなどは購入しないほうがラクかもしれません。梱包作業を始める前にあらかじめ取り外しが難しいものをピックアップしてどのように処分するのか確認しておくといいでしょう。


取材協力
弁護士・公認会計士・税理士/吉原慎一(フェアネス法律事務所)

掲載:2017年7月14日
写真:PIXTA

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