ガスコンロを新居に持っていきたい! 取り外しや設置は自分でもできる?
引越しの際、さまざまな荷物を運び出します。そのときに忘れたくないのが、自分で購入したもの。照明器具や家電などのほか、もしもガスコンロを持ち込んだという場合には、自分たちで引越し荷物として持っていくか、処分する必要があります。今回は、ガスコンロを新居へ持っていく場合について、一般社団法人 日本ガス石油機器工業会に注意点などをうかがいました。

持っていけるガスコンロと、持っていけないガスコンロ
キッチンのガスコンロには、2つのタイプがあります。1つは、システムキッチンなどで、キッチンのトップ部分にコンロが組み込まれているもの(ビルトインタイプ)。もう1つは、キッチンにコンロを置くためのくぼみがあり、そこにコンロ(テーブルコンロ)をセットするもの。ビルトインタイプはキッチンに組み込まれているため、自分で取り外すことはできません。テーブルコンロは、正しい手順を守ることで、誰にでも取り外しや設置ができるのだとか。
ビルトインコンロの設置や撤去が必要な場合は、一般の人ではガスの接続ができないため、メーカーなど専門業者に依頼を入れるようにしましょう。
また、物件にあらかじめ備え付けてあったコンロを無断で持ち去るのはNG。あくまでも、自分で購入したり持ち込んだコンロのみ、持っていくことができます。

ガスコンロ、どうやって持っていく?
実際にガスコンロを引越しで持っていく際には、どのような手順をふめばよいのでしょうか?
「作業を始める前に、まずはガスの元栓が閉まっていることを確認しましょう。また、金属部分やホースなど力のいる部分もあるため、軍手をつけて作業するのがおすすめです」(日本ガス石油機器工業会・以下同)
取り外す際は、ガスの元栓からホースを外すだけでOK。また、ホースを外したあとは必ず元栓についているキャップをかぶせておきましょう。
「ガスコンロを処分する際は、自治体のルールに従って廃棄を、コンロの中には電池が入っているので、これも忘れずに分別するようにしてくださいね」というアドバイスも。
新居でも引き続き使うのであれば、引越しの荷物として運搬します。五徳などのパーツが外れてなくなってしまったり、抜け落ちたりすることのないように注意を。また、ガスの接続管にゴミなどが入ると不具合の原因になってしまうため、箱や袋に入れて運ぶようにしましょう。心配な場合は、引越し業者に相談すれば適切に運搬してもらえます。
また、ガスコンロを外して運ぶときは掃除のチャンス。五徳を外したりトッププレートを拭くだけでなく、壁側の側面や底部分にもホコリや油汚れがこびりついていることがあるため、キレイにしてから持っていけば新居でも気持ちよく使えますね。

取り付け時、失敗しないポイント!
新居でガスコンロを再度設置する際には、以下のようなポイントをチェックしておく必要があります。
・使用するガスの種類
ガスの種類は都市ガスとLPガス(プロパンガス)の2種類。新居で使用するガスのタイプが旧居と異なる場合には、部品の交換が必要になります。現在使っているガスの種類は、ガス料金の明細票などで確認可能。「LPガス」とあれば、プロパンガス、「A12」「A13」などの表記があれば都市ガスです。
また、使用するガス用ゴム管にも違いが。LPガスと都市ガスでは、それぞれ専用のガス用ゴム管を使って接続します。
・ガス栓の形
コンロにつながるガスの元栓の形をチェック。ガスの元栓(ガス栓)には「ホースエンド型」と「コンセント型」があり、それぞれ使用するゴム管と、接続のしかたが違います。ホースエンド型はガス用ゴム管をそのまま差し込んで、ゴム管止めで固定するタイプ。コンセント型は、ゴム管の先端のプラグを元栓に差し込むと、自動的に固定されるタイプです。ガスコンロの取扱説明書を見ながら、適正なゴム管を選ぶようにしましょう。
・ゴム管の口径と種別
引越しの際に、コンロのゴム管を交換しておきましょう。ホームセンターなどで購入できますが、口径を間違えないよう注意が必要です。特に、元栓に対して口径の大きいものを選んでしまうとガスもれの原因となってしまい非常に危険なため、きちんと確認して購入しましょう。
また、LPガスと都市ガスでは使用するゴム管もそれぞれ専用のものが必要なので注意してください。
・正しく接続できているかどうか
「正しいパーツを用意したら、ガスコンロとガス栓をコードで接続します。その場合、必ずガス栓とゴム管がきちんと接続されており、抜け落ちたりすることがないか確認してください。誤って外れたりしてしまい、気づかないままコンロを使用すると事故の原因になります。ホースエンド型の場合は、元栓の口の付近にある赤い線がゴム管で隠れるのがきちんと接続できているかどうかの確認ポイント。赤い線が隠れたら、ゴム管止めでしっかりと固定します。コンセント型は、プラグと元栓を接続すればOK。『カチッ』と音がすることで、接続の確認ができます」

ほかにもある! ガスコンロにまつわる危険を回避しよう
ガスコンロを設置し、無事にガス栓との接続が完了。これでガスコンロを使用できますが、ほかにもガスコンロにまつわる注意点があるそうです。
「テーブルコンロの場合、もともとの家で使っていたときよりも置き場所が狭くなっていませんか? ガスコンロの設置には、壁からの距離をあけることが重要。ガスコンロの熱で壁が熱せられ続けると、壁の中にある建材(木など)が炭化してしまったり、発火することも。ガスコンロは、設置場所の奥と側面でそれぞれ壁から15cmは離しましょう。もし、離すのが難しい場合には、壁に防熱板を取り付けることで、壁の過熱を防ぐことができます」
ほかにも、ついついやってしまいがちだけど危険なことといえば、コンロの周囲にモノを置くということ。調味料や油、なべつかみなど、使い勝手がよくてついコンロの近くに置いてしまいますが、これも着火により火事になる危険があるため、燃えやすいものはコンロからは離しておくのが鉄則。
「それから、接続したゴム管に無理な力が加わるのも避けたいことです。ゴム管の長さが余ってしまうと、ついついコンロの下を通してしまったり、ゴム管がたわんだ状態で使用を続けてしまいますが、こうした無理な力が加わることで、劣化を早めてしまう危険があります。ゴム管には負担がかからないよう、できるだけ極端に曲がった状態にならないよう接続するのがベストです」
同様に、ガス元栓の口部分が下に向いていて、下からプラグを接続するとすぐに作業台にぶつかってしまうというケースも。これもゴム管に無理な力を加えることになってしまうためNG。ガス栓の口部分が下向きの場合は、L字に曲がったプラグを用意しましょう。
旧居で使っていたガスコンロ。自分で購入したものなら、こだわりや愛着もありますよね。もちろん、新居に持っていくことは可能! 安全に気をつけて、適切に運べば、新居でも変わらずに使うことができます。
自分ではできるかどうか不安という人は、引越し業者に相談を。搬出・搬入のサポートをしてもらえますよ。
取材協力
一般社団法人 日本ガス石油機器工業会
掲載:2017年7月28日
写真:PIXTA
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