前の住人が持っていた鍵ってちゃんと無効化されているの?
引越しを経験された方にアンケートをとったところ、下記のお悩みをいただきました。 「賃貸住まいのとき、前はどんな人がこの部屋に住んでいたのだろうか?合鍵とか持っていたりしないか?(ちゃんとオーナーは鍵を替えたのか)」
住み替えが前提の賃貸住宅、実際どのように鍵交換されているものなのでしょうか?専門家の方にお聞きしました。

前入居者が新居の鍵を持っている可能性は?
やっと決まった新居。契約を締結して鍵を受け取り、いよいよお引越し。
でもこの受け取った鍵、前の入居者も使用していた鍵だとしたら……そして合鍵を持ったままだったりしたら……そんな不安を感じたことはないでしょうか。
農村部の古い一戸建を個人の大家さんから「3万円でいいよ」と言われて借りる場合と、港区の160平米100万円のレジデンスを大手貸主法人から借りる場合とでは、貸主が提供すべき内容や義務にも差異があります。そのため「貸主は新品の鍵に交換すべき」という主張や具体的妥当性にも差異が生じます。ここでは一般的な、例えば東京都郊外の2DK、50平米15万円を例にとって掘り下げてみます。

慣習は貸主負担の方向へシフトしています
そもそも、戦前から受け継がれてきた慣習では鍵を交換せずに次の賃借人に貸していたようです。しかし、現代は防犯上の理由や警察当局の指導もあり「できれば交換しましょう」という風潮に。そして鍵を替えたい新入居者は自己負担で鍵を新しくする、というのが一般的になりました。その後、国土交通省のガイドラインや判例などで、次第に貸主責任で鍵交換をするべき、という傾向になってきています。
結論から言うと、今の賃貸物件ではレアケースを除き、鍵は入居者が変わるたびに交換されています。

鍵の交換費用は誰が負担するのか
このように、貸借人入れ替わり時の鍵交換のルールは、世情をかんがみつつ変化してきていますが、20年ほど前に私が借りた物件では「必要であれば3万円で鍵を替えますよ」と言われた記憶があります。すでにその時から「借主負担で任意」というのが一般的だったように記憶しています。
そして現在は、シリンダーと鍵の部材購入は貸主が負担し、交換工賃の1〜2万円は借主負担、というのが一般的なようです。
また、管理会社によっては、毎回シリンダーと鍵を新品に替えず、自社で余分に保管されているシリンダーを、物件ごとにローテーションしているところもあります。
とは言え、不動産は地域によって文化や商習慣に差異があり、一概に「こうあるべきだと」は言い切れないのも事実。
いずれにせよ鍵を受け取る時に「鍵は前入居者のものから交換されていますか?」と仲介会社に確認されることをお勧めいたします。

まとめ
入居前に、初期費用に鍵交換費用が含まれているか否かを不動産会社に確認することがポイントですね。
【今回お話を伺った専門家】

「株式会社ノースエステート」代表 大槻圭将
都心高級賃貸を主力に10数年。「サービス業としての不動産業」という視点で顧客に接し続ける。特に自社管理物件の運用や大手貸主法人の仲介に定評がある。「チャージ730!」(テレビ東京)不動産コーナー担当。朝日新聞DIGITALマイベストプロ、専門家プロファイル不動産コラム担当。
※無断転用禁止。引用の際はSUUMO(スーモ)編集部までご一報ください
掲載: 2015年6月3日 写真: PIXTA
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