引越し見積もり明細書のチェックポイント!追加料金が発生するケースや回避する方法
公開日 2020年06月18日
引越し業者に作業を依頼した場合、見積りの明細書が作成されるのが一般的です。トラブルなく引越しを終えるためには、きちんと内容を確認することが大切ですが、情報量が多く複雑に見えるため、どこをチェックすればいいか分からないことも。
そこで今回は、引越し見積もり明細書のチェックポイントを解説。追加料金が発生するケースや回避する方法についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
■目次
・引越し見積もり明細書とは?契約書との違いは?
・引越し見積もり明細書のチェックポイント
・引越しで追加料金が発生するケースと回避する方法
・引越し見積もりに料金がかかる?キャンセル料は?
・まとめ

引越し見積もり明細書とは?契約書との違いは?
引越し業者に訪問見積もりを依頼すると、引越し見積もり明細書が作成されます。見積もり明細書とは何なのか、いわゆる契約書とはどう違うのかについて解説します。
引越し見積もり明細書とは?
引越し見積もり明細書とは、旧居・新居の住所や荷物量などから算出される概算料金が記載された書類のこと。
自宅を訪問し、荷物量や周辺環境などを下見してだいたいの作業量を把握したあと、引越し業者が作成してくれます。
引越し見積もり明細書は無料で作成してくれる場合がほとんど。利用者は、引越し見積もり明細書に書かれている金額をもとに、その引越し業者に依頼するかどうかを検討することになります。
引越し見積もり明細書と契約書の違い
引越し見積もり明細書には、概算料金だけでなく、引越し料金の内訳が明確に記されています。また、引越し当日に運搬する家財や作業内容なども詳しく書かれているのが一般的です。
引越し見積もり明細書に法的な効力はありません。引越し見積もり明細書が引越し業者によって作成されたあとにキャンセルしたとしても、キャンセル料は発生しません。
他方、引越し契約書とは、引越しの契約が成立したことを証明する書類のことを指します。契約書には、家財や作業内容が書かれていないのが普通です。
引越し契約書には法的な効力があります。これを了承・サインしたあとにキャンセルする場合、解約手続きが必要で、場合によってはキャンセル料が発生します(後述)。

引越し見積もり明細書のチェックポイント
引越しスタッフへの作業指示書は、引越し見積もり明細書をもとに作成されます。つまり、引越し見積もり明細書に書かれていないことは、作業の対象に入らない可能性があるということ。
引越しをトラブルなく終わらせるために、引越し見積もり明細書を渡されたらチェックしたいポイントは以下のとおりです。「全日本トラック協会 標準見積書」をもとに説明します。
1. 「契約書」ではなく「見積書」か
まずは契約書でないことを確認します。引越し見積もり明細書と契約書は別に発行されるのが一般的ですが、見積書が契約書の代わりになるケースもあるので注意してください。
2. 引越し業者の情報
引越し業者の名前・住所・電話番号・担当者名が正しく記載されているかどうか確認してください。あとで誤りに気付いた場合、担当者名が書いてあるとスムーズです。
3. 日程・作業開始時間
日程・作業開始時間をチェックします。日付だけでなく、作業を開始する時刻が明記されていれば、遅延した場合の責任の所在が明確になり、トラブルを防げます。
4. 現住所(荷物の積み地)/転居先(降ろし地)
現住所(荷物の積み地)/転居先(降ろし地)を確認します。立ち寄る場所があるときなど(一時的な荷物預かりサービスを利用している場合など)、荷物の積み地・降ろし地が複数あるケースではとくに注意してください。
5. 引越しスタッフの人数・「積み切り」
引越しスタッフの人数は、引越し料金を大きく左右する要素です。どうしてこの人数なのか、納得がいくまで説明を聞いておくとよいでしょう。
引越し見積もり明細書に「積み切り」と書かれていないかどうかも確認してください。「積み切り」とは「トラックに積みきれないものは運ばない」という意味。追加料金が発生することがあるので注意が必要です。
6. 荷物の内容・付帯サービス
運ぶ荷物の内容に誤りがないかをチェックします。とくに注意したいのが付帯サービスを利用する場合です。
エアコンの取りはずし・取付工事、荷造りや荷ほどきを依頼する場合は、付帯サービス料の欄に記載されていることを確認しましょう。
7. 引越し料金の総額
引越し料金の総額をチェック。内訳も確認して、記載されていないことがないか、気になるところがないか、くまなく見ておいてください。
8. 引越し料金の支払い方法
引越し料金の支払い方法も確認しておきましょう。対応可能な支払い方法は引越し業者ごとに異なります。事前の確認が必要です。

引越しで追加料金が発生するケースと回避する方法
引越し見積もりで多いトラブルのひとつに、「見積もりで提示された金額と当日請求された金額とが違う」ということが挙げられます。
どんなときに追加料金が発生してしまうのか、またそれを回避するにはどうしたらよいかについてご紹介しましょう。
引越し見積もり明細書にない作業が発生すると追加料金が発生
引越しにおいて追加料金が発生するのは、引越し見積もり明細書に書かれていない作業が発生した場合です。主なケースとして、以下のことが挙げられます。
- ・引越し業者が到着しても荷造りが終わっていない
- ・荷物が見積書の内容よりも大幅に多い
- ・立地条件が見積書の内容と違う
- ・搬出入できない家具がある
引越し業者が到着するまでに荷造りが完了していない場合、追加料金が発生することがあります。
引越しスタッフが荷造りを手伝わなくてはいけないため、荷造りが引越し業者まかせのプラン料金が適用されることも。また、想定の時間内に引越し作業が終わらないくらい荷造りの量が多い場合、増員の手配をすることもあるようです。
荷物量が引越し見積もり明細書よりも大幅に多い場合にも、追加料金が必要になることがあります。例えば、手配したトラックにすべての荷物が入り切らない場合、追加のトラックを用意することに。
最悪の場合、あらたにトラックが手配できず、その日のうちに引越し作業を完了できないケースもあるので注意してください。
また、立地条件が引越し見積もり明細書の内容と違う場合も、追加料金が発生することがあります。例えば、見積もりの段階で「トラックをマンションのそばに駐車できる」と申告していたのに、実際には離れた場所に停めることになった場合、横持ち作業(寄り道工程)のための追加料金が必要に。
家具や家電が大きすぎて階段を通らず、クレーン車など特別車両が必要なケースも同様です。
追加料金の発生を避けるなら訪問見積もりが便利
以上のようなトラブルの多くは、見積もりの不正確さが原因で起こります。そのため、電話やネットの見積もりでなく、訪問見積もりを依頼することで回避することが可能です。
訪問見積もりとは、引越し業者に自宅を訪問してもらい、荷物量などを実際に確認しながら引越し料金の見積もりをしてもらうサービスのこと。引越し業者の熟練スタッフが担当するため、正確な引越し見積もり料金を知ることができます。
訪問見積もりなら、荷物量だけでなく、大型の家具や家電をエレベーターで搬出できるかどうか、トラックをマンションのそばに駐車できるスペースを確保できるかどうかも確認できます。
ただし、引越し業者によっては、訪問見積もりに対応していない場合もあります。また、訪問見積もりを依頼しようとした希望日がすでに埋まっているケースも少なくありません。
まずは一括見積もりを利用し、訪問見積もりに対応してくれる引越し業者に絞り込むのがおすすめです。

引越し見積もりに料金がかかる?キャンセル料は?
引越し見積もりを依頼すると料金がかかるのではと不安な方も多いと思います。ここでは、料金が発生するケース、そうでないケースについて解説します。
見積もりだけならキャンセル料は不要
原則として、引越し見積もりを依頼しても料金はかかりません。電話やネットで行う一括見積もりはもちろん、引越し業者がわざわざ出向いてくれる訪問見積もりでも同じです。
一括見積もりも訪問見積もりも、積極的に利用するとよいでしょう。
ただし、訪問見積もりを依頼する場合、下見するのに経費がかかる場合に限り(例えば有料道路やフェリーを利用する必要がある離島・山間部の場合)、有料となることがあります。
とはいえ、事前に了承を得なければ費用を請求できない決まりになっています。見積もり料金に関するトラブルを避けるためにも、スケジュールに余裕さえあれば、訪問見積もりを積極的に利用したいところですね。
契約後にキャンセルした場合はどうなる?
引越し見積もり明細書に納得し、契約書にサインしてしまった場合、キャンセルするには解約の手続きが必要です。しかも、キャンセルのタイミングによってはキャンセル料が発生してしまいます。
引越し業者の多くは、国土交通省が定める「標準引越運送約款」に基づいてキャンセル料を決めています。当約款によると、引越しをキャンセルするときのルールは以下のとおりです。
引越しキャンセル料の規定
キャンセル日 | キャンセル料 |
---|---|
引越し当日 | 見積もり運賃の50%以内 |
引越し前日 | 見積もり運賃の30%以内 |
引越し2日前 | 見積もり運賃の20%以内 |
つまり、引越しの3日前であれば、契約後であってもキャンセル料は発生しません。
ただし、すでに使用してしまった梱包資材がある場合は、料金を支払わなくてはならないケースが多いようです。未使用品であっても返却が必要としている引越し業者も多く、送料を請求される場合も。
契約後のキャンセルはできるだけ避けるのがよさそうです。

まとめ
引越し見積もり明細書は、そのまま引越しの依頼内容となることも多い大切な書類です。トラブルを避けるためにも、細部までチェックして誤りがないかきちんとチェックするようにしましょう。
画像:PIXTA
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